閉所恐怖症
▼2002年 6月21日 (Fri) -- No.[412]
先週末の事。知人の助けを借りて、生まれて初めて車のオイルとオイルフィルターの交換作業を自分でやった。作業は慣れない事もあってちょっと時間はかかったが、丁寧な指導と共に簡単に終了。今までお金を払って頼んでいたのがバカらしくなった。しかし作業中、僕の忘れていたあの感覚がふと蘇って来た。オイルを抜く為にはドレインボルトを開けなければならない。ジャッキで持ち上げた車の下に潜った時・・・。
閉所恐怖症。まさかそんな所で恐怖心を感じるとは思わなかった。車の下に潜り、普段は見る事のない車体を裏から眺めていた時。「もしこの車体がいきなり落ちてきたら」と思った瞬間、心臓が嫌な高鳴りをして、居ても立っても居られなくなってきたのだ。もしジャッキが外れたら、僕の体は車と挟まって身動きが取れなくなる。そう考えただけで体中に冷や汗が噴出してきた。
今まで一番怖かった思いでは数年前の引越し作業。友達何人かと大きなトラックを借りた。荷物を詰めて友人宅へ場所移動。人数分のシートが無かったので、僕は友達一人と荷台の中に入り移動する事になった。友人宅までは時間にして10分も無いだろう。僕自身もちろん閉所恐怖症がある事は自覚していたが、まぁ大丈夫だろうとタカを括っていたのが間違えだった。
荷台のシャッターが閉まり、辺りは闇に包まれる。その瞬間から体中に気持ち悪い汗をかき出した。何とか自分を落ち着かせ、冷静になろうと努めながら車が発進。しかしその時、僕自身が爆発しそうになってしまった。心臓がバクバクするのではなく、心臓のリズムが明らかに変なのがわかった。鼓動が一定ではないのだ。早くなったり遅くなったり。僕は車が走り出したにも関わらず、そしてシャッターは中から決して開かないのにも関わらず、その扉に体当たりして開けようとしていた。その時の僕は必死だった。すると荷台に一緒に乗ってた友達が僕の異変に気付いて僕をなだめてくれた。僕は彼の声を聞き、段々と我を取り戻してくる。次第に目もその暗さに慣れて、おぼろげながらに中が見えるようになった。音が聞こえてくるほど心臓は弾けているが、それでもリズムが一定になってきた。手元にあったライターで明かりを補い、さらに落ち着かせようとする。僕を荷台に乗せたトラックは走りつづける。無事に到着。人生で一番長い10分だった。
僕を発狂死させるのに一番確実な方法は、僕を車のトランクに詰めて数時間街をウロウロする事だろう。僕はショック状態に陥り、心臓は停止すると思う。僕の一番避けたい死に方だ。何しろフルフェイスのヘルメットを被るのも怖くてダメ。閉所恐怖症って克服するのが可能なのだろうか。きっと子供の頃の思い出がトラウマになってるんだろうな。