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David Lee Roth & Sammy Hagar(その4)

▼2002年 6月29日 (Sat) -- No.[420]

勝手な総評:(なので文句を言われても困るよ)

David Lee Roth/Sammy Hagarの組み合わせコンサートは、僕にとって何度も書くように鳥肌が立つほど貴重な経験。このライブに観客として参加出来たおかげで、15年近く Van Halenのファンである僕の夢が叶ったとさえ思う。目がギラギラしてきて居ても立ってもいられなくなるDaveのステージ、家族的で暖かい雰囲気に溢れたSammyのステージ、両者の特徴が良く出た内容の濃い3時間だった。

シンプルなセットの中でその中央に立ったDave。そんな飾りを取り除いた舞台上だからこそ、彼のパフォーマンスが余計に際立って見えた。昔のビデオ等では彼の動く姿を見た事はあったが、生で観客を煽る彼を見るのは初めて。その為に彼がステージ上に姿を表しても、現実の物として直視できない程に感激してしまった。ライブ中は昔と変わらないワイルドなセックスアピールを披露。しかし同時にやっぱり年を取ったかなという印象も否めない。額の後退具合や顔に刻まれたシワも見て取れてしまった。前から5列目という至近距離の「罪」の部分なのかも。

曲目には大満足。個人的にはあと1曲くらいはソロになってからの曲をやっても良かったと思う。Sammyのわがままで、彼がボーカルをしていた時のVan Halenでは絶対にセットリストに入らなかった名曲"Unchained"を聞けて感動した。またオリジナルであるDaveの声で"Panama"や "Jump"を聞けたのも一生思い出に残るだろう。ソロになってから出した"Yankee Rose"ももちろん良かったし。

マイクを握るDaveの姿。そんな彼に「昔の名前で出ています」的な雰囲気を感じてしまったのは少し複雑な思いがする。基本的に彼には作曲の才能はない。バンド時代はEddieが曲を書き、Daveの如何にもロックスター然とした立ち振る舞いで、バンドは大成功を収めた。彼は調子に乗ってソロになり、確かにそれから数年間はVan Halenと張り合う位の勢い。しかしそんな彼も長続きはしなかった。最近出したCDも泣かず飛ばずで、今から少なくとも10年以上はヒットから遠ざかっているはず。言葉を変えるならば、昔の曲をやらないとDaveは食っていけないのだ。そう考えたら、ステージ上で笑顔を振りまく彼の姿に哀愁を感じてしまった。まるで過去に一世を風靡したが、時代と共に売れなくなり、しかも本人はそれに気が付いていないアイドルだ。こんな事を書いてみたが、ライブ自体は本当に良かった。Daveファンである僕はそんな事を認めたくは無い。しかし、彼は完全に過去の人物になってしまったのだろうか。

Sammy のライブパフォーマンスは総体として素晴らしかった。歌唱力、ステージセット、MC、全ての面を含めた総合エンターテイメントだ。彼の歌唱力には元々定評があり、この夜も突き抜けるようなハイトーンがしっかり出ていた。最近はレコーディング技術の発達により、CDの歌声をライブで再生出来ないアーティストが増えていると聞く。しかしSammyの歌を聴いていて、彼にはそんな問題など全く関係なさそうに思えた。観客とバンドが織り成す臨場感により、むしろライブの方が声がイキイキと聞こえてくる程だ。Van Halen時代のライブアルバムの良かったし、きっと彼はライブ映えする歌声の持ち主なんだろう。僕の父親くらいの年齢だと思うのだが、その年を感じさせない動きも凄かった。ステージ上を所狭しと走り回り、やぐらにも登っていた。そのやぐらは僕のすぐ近くだったので、本当に手が届きそうなくらいだった。

一般的にツアーは新しいCDが出て、そのプロモーションの為に行われる場合が多い。そしてそれらのツアーでは新アルバムからの曲が多い、というのが良くあるパターン。しかし今回に関しては、別に新しくCDをリリースしたとかそういうのではない。その為、組まれたセットリストは今までSammyが積み上げてきたキャリアのベストの部分、言ってみれば美味しい所取りだった。昔のMontrose時代からVan Halen時代、そしてソロになってからの曲が上手くミックスされ、バラエティに富んでいて良かった。ソロになってからの一番のヒット曲、"Mas Tequila"ではカクテルを観客に文字通り浴びせ、僕もそのしぶきを体に受けた。最後の最後にやってくれた"Dreams"で涙が出そうになったのはこの前の日記で書いた。僕は苦しいときにこの曲を聴いて自分を奮い立たせて来たのだ。観客との絡みも老獪で楽しく、Sammyのステージも心から楽しめた 90分。

本編とは関係ないが、結構酔っ払って連れてかれる観客が多くてちょっと笑ってしまった。小柄な女の子のスタッフに、酔っ払ってフラフラした男が後ろ手を縛られて連行されていく。酔いを醒まして席に戻るが、しばらくしたらまた連れていかれたりするので余計に笑えた。それから僕の前にいたオジさんは、年甲斐も無く飛び跳ねていて、僕は何だか嬉しくなった。彼くらいの年齢になっても僕もそうありたい。もっとも舞台上の二人は彼よりも年が上なんだろうけど。オジさんの連れの女が、席に立って僕の視界を遮ったのはちょっとイヤだったけどね。

僕が犯した失敗として、カメラを持参しなかった事が揚げられる。他の観客は普通に写真を撮って、しかもビデオも撮影していた。でもこれがアメリカでの常識なのかも。日本のコンサートでは、カメラや録音できる機械は基本的に持ち込みが禁止されている。僕は何の疑いもなく、アメリカでもこの類の物は全面禁止と思い込んでいたのだ。僕の記憶にははっきりと残った90×2だったけど、欲を言えば形に残るものとしても留めておきたかったな。

最後に。

二人の共通点であるVan Halen。そのギタリストで主要メンバー、そして過去に二人の首を切ったEdward Van Halenが癌で闘病中なのを考えると、この二人が元気なのは奇妙な感じがする。そもそも今から5年ほど前にSammyがバンドを辞めたのは、Van Halenがベストアルバム発売と共にDave/Sammyのツインボーカルでツアーに出る計画を立て、それを聞いたSammyが怒ってEddieと喧嘩したから。Van Halenが事実上の活動中止に追い込まれてから、Eddieのやりたかったこの二人のジョイントが組まれたのは本当に皮肉である。マスコミからは金儲けのツアーと言われてもしょうがない。しかし、僕を含めた世界中のファンはこの二人によるライブを待ち望んでいたのだ。二人が同時にステージに立つという究極の夢は叶わなかった(この日が全米ツアーの最終日という事もあり、実は密かに期待していた)が、それでも僕は一生思い出に残るくらい十分に楽しんだ。彼らのファンで良かったと思う。本当にありがとう!

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