12 Angry Men
▼2002年 9月29日 (Sun) -- No.[7]
UIシアターデパートメント主催による劇、「12 Angry Men」を観る。オリジナルは1957年製作のアメリカ映画。父親を殺したとされる19歳の被疑者について、12人の陪審員が有罪か無罪かを議論する密室劇。何気に以前は法律を勉強していた僕。日本では採用されていない陪審制度について学ぶため、教材の一環としてそのビデオを見た記憶がある。この映画は三谷幸喜の舞台で、後にスクリーン化もされた「12人の優しい日本人」の元ネタ。
大まかな内容は覚えているのだが、ストーリー展開の細かいところを忘れてしまってした。そこで劇を見に行く数日前に、ビデオを借りてきて見直してみる。あいにくオリジナル作品を手に入れられなかったが、5年ほど前にテレビ番組で作られたリメイクバージョンを何とか見た。冷たい雨が降っていたが準備万端で会場へ向かう。
僕はあまり目の前で生身の人間が演じる劇を観た事がない。プロの役者による演目を観るチャンスが無かった事もないが、その度に何かと都合が悪く、本物の舞台というのを経験したことがないのだ。それが手伝ってか、この「12 Angry Men」は素人に毛が生えた程度の役者たちだったけどとても面白かった。観客が30人も入らないような狭い部屋でこの劇は進められたのだが、1時間半ほどの話は結構迫力があって良かった。
全会一致の法則が適用される陪審制度。12人の陪審員中11人が少年を有罪だと決め付けるところで劇が始まる。しかし議論が進むにつれ事件の不明瞭な点が次々に上げられ、最後には全員が嫌疑に"Reasonable Doubt"を見出し、有罪ではないと結論を下して終わる。「無罪」ではなく「有罪ではない」というのも大事なポイント。「疑わしきは罰せず」という考えが根底に流れる法律理論を見事に表現している。また社会一般で不良と見なされる少年に対する大人たちの偏見に満ちた目もこの話の大きなテーマだ。
法律はちゃんと勉強すればかなり面白い。あまり真面目に教科書とか読まなかったのが残念に思われる時さえある。でも今更実感してもね。現状にないモノを人間は常に欲する。