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二本立て

▼2002年11月10日 (Sun) -- No.[452]

午後から映画を2本立て。映画館に入るのは久しぶり。しばらくずっとビデオで映画を観ていたので、銀幕がとても大きく感じられた。思い出せる範囲では”2001: Space Odyssey”以来ではないか。この日観たのは日本映画「リング」の焼き直し、”The Ring”とMTVで放送されているスタント番組の映画版、”Jackass”。

実を言うとつい最近になって日本版「リング」を観た僕。それまで観る機会が無かった訳ではない。日本で映画化される前に原作となった鈴木光司のオリジナル「リング」とその続編である「らせん」、「ループ」を立て続けに読んでいたので、ワザワザ映画を観るまでもないかなと勝手に思い込んでいたのだ。しかし思いのほか映画の出来が良く、その結果話題が膨らんだ作品なので、いつかは見なければと思っていた所にアメリカでリメイクされて公開。直前に日本版を観たのは良いタイミングだった。同じ頃に目を通した「パラサイト・イブ」とダブってしまい、内容を良く覚えていなかったのも確かだった。

日本でもやってるはずなので、もう観た人も結構いるんだろうなー。先に日本の「リング」について僕が思った事を勝手に書いてみる。映画ではまず母親に焦点が当てられる。ストーリーが進むに連れ「母親の超能力」から「娘の呪い」というのにフォーカスが移され、一般的に言って、その後出てくる娘キャラの不気味さが受けていたのではと思う。それがしかし、僕には唐突な感が否めなかった。あれだけ時間を使って描いていた母親の数奇な人生は何だったの?という事。娘の登場が飛躍して感じられた、とでも言おうか。もっとも鈴木光司の3部作では「リング」より、むしろその続編に入ってから娘にスポットが当てられていた訳で、僕が感じた疑問は、こちらもある意味原作に忠実だったという事なのかもしれない。

話は戻ってアメリカ版。両方の作品を観た人なら必ず感じる印象だろうが、日本版を結構忠実に再現していた感が強い。アメリカ社会に見合うよう、脚本に変更が加えられていたが、それはそれで許容範囲に収まっていたと思う。内容的には、全編終了後に日本の作品で感じた?の部分は無かった。それだけ話題が娘を中心に進められていた証拠だったと思う。アメリカの辺境に漂う、得体の知れない薄気味悪さを表現するのに、岬に立てられた灯台と牧場の風景が用いられたのはとても良かった。どんよりした雲が空を覆う日が多い最近のアイダホ。この時期、こんな場所に住んでいると、確かにただっ広い牧草地帯に根拠のない恐怖を感じる時があるのだ。それから子役の目を妙に見開いた演技が良かった。アメリカの子役は上手だなー。キャストの事をもう一つ書くと、日本版の雰囲気を生かすのであれば、ダンナ役はどうもイタダケナイ。彼では知性が全く感じられず、その場を支配する影が演じ切れなかったのでは。と、偉そうな事を書いたが全体を通して考えると、”The Ring”は決してつまらない映画ではなかった。日本社会にある独特のおどろおどろしさを、アメリカで触れたくない奇怪な何かに上手く置き換えていたのはとても評価できた。ある程度きっちり筋を通して行く展開も良かった。日本映画のリメイクがしっかりと出来上がったのは何となくうれしい。

“Jackass” は”The Ring”と性格的に正反対の映画。もともとテレビで放送されている本当にアホで下らないスタントのクリップ集の映画化。確か1年ほど前に、このテレビと映画に出ているメンバーの何人かがUIとWSUにやって来て生で公演もした。僕はチケットが買えなくて行けなかったが。

彼らがトライする事はスタントの一言では清まされない。「ドッキリ」的要素も強い。かなりお下品なネタも多く、好き嫌いがはっきり別れるに違いないだろう。個人的にウケたのは、肛門にミニカーを突っ込んでそのままレントゲンを撮ったものと、便器売り場でホントにウンコしたやつ。このようなクリップが、1時間半ほど連続すると考えてください。

何も考えずにスクリーンを眺めるだけでゲラゲラ笑えるが、思わず「ォォォ・・・」と目を覆いたくなる場面も多く、逆に笑えない場合も。日本が世界に誇る過激スタント集団、電撃ネットワークとはそこが違うな。そう言えば「ジャークアス」は日本でも撮影を行っていた。日本の場面では、醤油で溶いた大量のワサビを鼻ですすったりしていた。その後に皿にゲロする場面まで映したりした。ちなみにスクリーン上には、何度かウンコとかゲロとかそのまま出てくるので、これから観る場合は心の準備を。

総評:
“The Ring”
「らせん」のリメイクは作るな。3.9/5

“Jackass”
ある意味観る価値はある。3.0/5

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