Matrix Reloaded
僕は以前から鑑賞した映画評を日記に残している。外部に向けて自分が下す判断に責任を持つため、映画の総評も5点満点で点数化してきた。かなり個人的な見解を伴うので、必ずしも皆さんの意見とは一致しないだろう。むしろその可能性が高い。今回もそれにならって映画"Matrix Reloaded"の感想を書く。以下に書くことはあくまで僕自身が持った印象。なので軽く読み流してください。もし今からこの映画を見に行く予定があって、余計なバイアスを叩き込まれたくない人は、ここから先へ進まないように。
--------------------------------
"Matrix Reloaded"を渋谷で。僕は第一作がとても好きだった。その世界観、プロット、映像美、衣装、音楽などなど。特に全体を支配する思想に痛く共感した。同じようなことを僕も中学生くらいの頃から考えていた、全ては何かにコントロールされているのではって。僕は前作を映画館では見なかったが、ビデオとDVDで何度も観た。今でもPCのスクリーンセーバーは、あのコードが上から流れ落ちてくるのを真似たものだ。ここ何年もそうやって緑の文字が落ちてくるのを眺めながら、僕はずっと続編を楽しみにしていた。それを踏まえて・・・。
"Reloaded"は面白くない。
@全体的な緊張感の欠如
確かに緊張はする。でもそれは弛緩があって浮き立つもの。あれだけ連続であってもね…。それに僕はこの映画に笑いを求めている訳ではない。トーンを落とした映像は踏襲していただけに、物語もあくまでシリアスに、切なく進んで欲しかったのが本音。セックスを感じさせるシーンは不要。何だか俗物的にさえ思えた。
A話が過度に飛躍
前回はネオが力に目覚めるまでの成長を描き、段階を踏んで話しが進められていたのでとても理解しやすかった。しかし今回はいきなり力をバリバリ発揮し、大きな敵と戦っていた。その背景を掴みきれないまま、ストーリーが展開されていたのは残念。わざとらしくても構わないので、もう少し外堀を埋める説明が欲しかった。前作をよく覚えてなかったり、見ていない人にとっては非常に判りにくい作りだと言わざるを得ない。
B多すぎる登場人物
前作に登場した主要な人物は、ほぼ主人公のチームとエージェント・スミスだけだった。今回もキーになる人物はそう多くはないが、それへのツナギのキャラクターが多かった。単純にスクリーンに映し出される人物が多すぎとも言える。スミスは蟻のように沢山いたし、加えて群集の存在もあった。それぞれのキャラがぼやけてしまい、僕は誰を観て良いのか迷ってしまった。その分感情移入しにくい。
C格好悪いローレンス・フィッシュボーン
前から僕は彼が醸し出す雰囲気がとても好きだった。ああやって愁いを漂わせながら、目で演技できる役者はそういないと思う。しかし今回はその反対でマッチョなところが多く、彼の役者としての魅力を感じなかった。ちょっと太って見えたし、群集に向かって大声を張り上げるシーンがあったり、なんだか大雑把に見えた。
Dくどい映像
確かにCGを駆使した映像自体はスゴイと思うし、見える価値は十分にある。でもあれだけドカドカ続けられると、それだけでお腹がいっぱいになってしまう。前作はありそうでなかったワイヤーアクションを大々的にフィーチャー。後の流行になる程衝撃的だったのに。
Eその他
「2作目は面白くない」というジンクスがそのまま当てはまるとは言え、個人的に物語自体は嫌いではない。やはり何でもコントロールされていた。終わり方はある意味前作に近いので、次へ期待も当然残った。彼らが着てる服とか、派手なシーン以外での落ち着いた映像は良かった。細部へのこだわりは、センスの無い僕でさえ良くわかった。キアヌは「ビルとテッド」以来、どんな役でも本質的な知性が不足して見えるが、ある意味この未熟な部分がネオ役には必要なのか。
総評:2.3(5点満点)
前作で築き上げられた世界観が台無し。