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JR中央線のオレンジ色に感じる郷愁について

▼2003年12月 8日 (Mon) -- No.[7]

小学校に上がる前後だと思う。扁桃腺に異常が見られた僕は、その治療のため定期的に都内にある病院に通っていた。僕が中央線を好み、今も沿線に住んでいるのは、そんな幼少時からの記憶に起因しているに違いない。

幼い僕が都内に出る時、現地までの交通機関は主にJR中央線だった。僕の記憶にある不安、躍動、その風景。それらと電車の中で父親の手を握り締めている感覚は常にオーバーラップする。当時の僕はカレーライスが大好物で、僕は途中のお店で食べられるそのメニューを楽しみに、訳も判らず親に手を取られていた。自分の体に不調が見られていたとはいざ知らず、(よく言うと緑豊かな)日常から少しだけ離れたその時間を、僕はとても楽しみにしていたのだ。

そして僕は大人になった。最近は朝晩の混雑を理由として中央線に乗る事は少ない。しかし隣のプラットホームにオレンジの車両が滑り込むのを見るだけで、何となく落ち着いてしまう。無意識に胸を躍らせていた記憶がよみがえってくる。僕は幸せな気持ちになる。僕が中央線に親しみを抱くのはそんな理由からだ。

書き出さないと思い出せない記憶がある。整理できない記憶がある。理由付けできない記憶がある。でもそんなかすかな記憶を、僕らは心のどこかに必ず留めている。見出す糸口は、日常生活で遭遇する小さな選択肢だ。

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