« ジョギングコース | Home | Diamond Dave »

▼2004年 1月27日 (Tue) -- No.[12]

僕より一つ上の年代は、共通一次を含めたセンター試験で過去最多受験者数を記録している。

世の中にいるありふれた学生の一人だった僕は、日付が変わる時間帯にコンビニエンスストアに出かけ、何も考えず時間を潰すような毎日を送っていた。その夜もまた僕は歩いて数分の大手チェーン店へ、まるで大事な用事を探すかのように出かけ、興味もないのに雑誌類を拾い読みしていた。

そのような店で、雑誌のコーナーは必ず通りに面した一角に配置されている。人出が少ない深夜でも、店内にいる人の存在を通行人にアピールするためだ。暗い夜道を照らす防犯上の理由かもしれない。あるいは他の客が立ち入りやすい雰囲気を作り上げるため。

僕は雑誌から目を離し、ふと視線を上げた。眠たそうな顔をして、髪がボサボサに伸びきった一人の若者が目に入る。視線を再び雑誌に落とす。そしてまたあげてみる。「こちら側」にいる僕と、全く同じ動きをした「あちら側」の若者。それは窓ガラスに映った僕の姿だったのだ。そして僕はその週末に髪を切った。

数本のビールだけをスーパーマーケットの袋に入れ、クリーニング店で仕上がったばかりの衣類を抱えた男が目に入った。スーツの上にコートをまとい、彼は鞄と荷物を、両手で器用に持っている。いかにも独身のサラリーマンに見えた一瞬だった。

そしてそれはまた、紛れもない僕自身の姿なのだ。

Trackback

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.shotarowatanabe.com/cgi-bin/mt3/mt-tb.cgi/826

コメントを投稿

Search Word Cloud