普段ではないこと
以下はちょっとグロいので読まない方がいいかもしれません。
***
普段と違う事をすると、こういう結果になることもあるのだ。
普段の水曜の夜は、会社近くのアスレチッククラブに寄ってから帰ることにしている。しかしこの夜はそんな気分でなくそのまま帰宅。山手線に乗り新宿まで。普段だったら、ここで同じホームにやってくる総武線に乗り換え。しかしこの夜の乗り継ぎは図ったように悪い。家までたどり着く電車が来るまでに10分近くある。まぁ普段だったら本でも読みながら待っているところだが、この日は何故か早く帰りたかったから、普段は決して乗らない中央線に乗り換え。ホームにあがるとオレンジの車体が見えた。今度はピッタリ発車時刻だ。
そして自宅のある最寄り駅へ辿りつく。当たり前だが電車を降りる。すると多くの人が電車を降りて、僕の向かう階段方向を眺めている。僕は階段を下りなきゃいけないからそのまま進む。そして僕が目にしたのは、硬いコンクリートのホームに倒れ、頭から血を流している一人の男。まさに僕が乗ってきた電車に、何らかの理由で彼が突っ込んだ後だったのだ。痛かったんだろな。全く動いていない。動く気配がない。救急車は無駄だったに違いない。
自宅に戻るが、いたたまれない気持ちはどうしようもない。今度はどうしても体を動かしたくなり(生きてる実感が欲しかったのか?)、時間は遅かったが電車で一つ隣の街にあるアスレチッククラブへ向かう。つまり電車に乗らないといけないので駅へ向かう。
「電車と人が接触したため」中央線は電車遅延が発生。既に倒れていた男の姿はなく、事故現場は警察のじ実況検分中であった。JRの職員がホームに流れていたであろう鮮血を、バケツにくんだ水と竹箒で清掃していた。5月にしては冷たい風が吹き、屋根のあるホームの一部が濁った水でぬれている風景は、その直前の現場を目撃してしまった僕にはあまりに寒々しすぎた。
そして僕はジムが閉まるギリギリまで、色んな事を忘れるために汗を流すのだ。