重力
自分の日記を管理用ページから書くだけで、その文字列をブラウザで眺める機会が極端に少ない。ふとそう気が付いて久しぶりにのぞいてみる。予想通り運動ネタが続いていた。僕の生活はジム通いで回っているらしい。
ウェブページを閉鎖し、表面上は日記を非公開としてひと月が経過したが、再開の目処が全く立っていない。しかし僕はこうやって外部から見えない場所で日記を書いてはいる。「書きたくない」気分からの脱却は早かったが、いまだ「伝えたい」気持ちからは程遠いし、「共有したい」気分にはとてもじゃないけどなれない。少なくとも今はそのタイミングではない。むしろ世界からは放っておいて欲しい。結局自己満足では決してない。
最近になって自分の毎日がいかに人に依存していたのかに気が付いた。今は独りでいる時間がイヤでたまらない。自由になる時間は出来る限り体を動かして違う世界に溶け込むか、人と会う約束をした上でたわいも無い話題で時間を潰している。僕に似た誰かがつぶやく言葉と、僕に似ていない誰かが発する言葉。それらが僕の耳を通り過ぎていく。大きく開いた空に向かって言葉を投げてみる。どこにも響かず、どこからも反射を得られず、どこからも答えが返ってこなかった。言葉だって重力に引っ張られれば良いのに。
実はこのひと月の間に1日だけ設定を元に戻し、日記をインターネット上で閲覧可能な場所に置いた日があった。そしてその時の僕は、確かに何かを伝えたいという本能的な気持ちを持つことができた。何人が日記を読んだのかは疑問だし、些細な内容ではあった。でも世界に「語り掛けたい」気持ちになれたのは久しぶりで、僕としてはとっても嬉しかったのだ。
そんな気持ちで満たされる日が来るのにまだ時間がかかりそうである。冷静に自分自身を考える。僕は今マイナスとゼロの途中にいて、ゼロを向く努力をしている。でも肝心のゼロがどこにあるのかわからない。今までのゼロではない。違うゼロ。もがけ。