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近所で新たな発見

会社を午前休する。3段階に渡る目覚ましを全く気付かずにスルーしてしまった。前の晩に飲んだ薬が効き過ぎたのかな・・・。とりあえず元気な声で会社に電話。

1時間くらいゆっくり湯船に浸かって本を読む。とっても優雅な気持ちだ。朝食を採っていなかったので、10時半頃になって外へ。寒い日だったが、普段あまり行かない地下鉄方面まで足を伸ばす。簡単に食事を済ませ、ふらりと入った喫茶店で本の続き。再びとっても優雅な気持ち。

僕が高円寺で入った喫茶店で、一番完成度の高い店であった。入口ドアに掲げられた「お子様連れのお客様お断り」の張り紙。目に馴染む落ち着いた色合いの店内。ガンコそうで無口なマスター。ツボを押さえて配置された小物類。大切に使われている品の良いカップやシュガーポット。隠されたスピーカから聞こえるほのかなBGM。そして何より、他と一線を隔すとても美味しいコーヒー。僕が感激して止まなかったのは、ありがちなブレンドをオーダーしたにも関わらず、注文を受けてから豆を挽き、布のフィルターから丁寧に湯を落としていたのを目撃したこと。これは不味いわけがないのである。僕がこの類の店に求める要素を、見事に体現していた素敵な空間であった。

満足な気分で店を出て家に戻る途中、アンティーク雑貨屋が目に入る。耳に洩れ聞こえる跳ねるようなベースの音に、僕は吸い寄せられるように店内へ。そこで飾られていた何枚かの写真。スタッフに声をかける。パンクバンド、グリーンデイの目がギョロっとした人が、その店を訪ねて来た時のものらしい。店のオーナーがそういう人たちと親交が深いとの事である。すかさずスタッフの男は、店の奥から写真のアルバムを持ってきた。ブライアン・セッツァー、ビリー・シーン、ポール・ギルバート、マイケル・モンロー、スラッシュなどなど。その店ではオリジナルTシャツも販売しているのであるが、何と彼らがステージ上でそのシャツを纏っているではないか!日本の芸能人の写真も沢山あった。近所にこんな店があったとは新たな驚きである。

普段の生活を半歩踏み出しただけで、色々なものに出会える時がある。彼らは最初から存在しているにも関わらず、僕らはそれに気付く事がない。毎日が刺激に溢れていたら・・・、僕らは他力本願に心のどこかでそう願い、急ぐ足をさらに早めようとしている。僕らは気付く事が出来ないのではない、気付こうとしないだけなのだ。

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