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思ひ出(未来用)

暇だったので電車に乗ってコーヒーを飲みに行く。ひとりで喫茶店に入るのは良くあるけれど、生まれて初めて、ひとりでいる時にスイーツを注文してしまった。突然甘いものが食いたいという願望が降ってわいた結果である。

帰りの電車に乗る。ホームに車両が到着し、客が降りてくる。彼らの代わりに僕が電車の一部となる。ドア際に立ち、閉じられる前のドアの間から、ぱっとしない外の風景を眺めていた。小さな子供が母親に手を引かれて歩いてくる。彼は僕が乗り込んだ三鷹行きの東西線に「ばいばい」と手を振り続けていた。電車の代わりに手を降ってあげた「ばいばい」。僕が子供の頃、夏場のエアコンにより水滴を垂らす車両を見かけたことがあった。「電車も汗をかくの?」一緒にいた父親に僕は質問した記憶がある。

よくある話だと思うんだけど、他に思い出した事がある。

小学生になった頃、道端で拾った50円硬貨。学校からの帰りに見つけたそれを、どうすればよいのか考えて、交番にひとりで届け出たのである。小さな僕に対し、そのときの警官はとても真摯に対応してくれた。名前、住所、どこで拾ったのか、ちゃんとメモを取りながら耳を傾けてくれた。怖いような、誇らしいような、恥ずかしいような。僕は複雑気持ちで、俯きながら彼の質問に答えていた。

何時の間にか逆の立場になっていたのか。

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