縁側で
所用で実家に帰ってきている。東京の喧騒から離れたここはとても静かだ。夕食後にアルコールで火照った体を冷ますため、僕も縁側に出てみた。
作務衣を着て写っているのは父親である。彼もこの季節、夜になるとデッキチェアにもたれ、空を眺めているそうだ。今晩は靄がかかっている。普段なら満天の星空に加え、1分に1度の飛行機、さらには人工衛星まで見えるのだ。
夏虫の声が聞こえる。僕の傍らでは、風鈴が涼しげに、響くような高い音を奏でている。
あれは小学生の頃だったか、それとも思春期真っ只中の中学生くらいの頃だったのか、それとも大人ぶってた高校に入った頃だったか。しし座流星群だか何だかで、とにかく降るような流れ星の夜があった。僕は当時まだ元気だった祖父と、夜が更けて比較的遅い時間に、長いこと夜空を眺めていたことがあった。
その祖父はもう他界した。それでも夜空はあの時のまま。
