夏の終わり(2006')
期間中に100万人近くが訪れるというこのイベントのため、毎年8月の最終週は祭りの色で覆われる。準備自体は数ヶ月前から行われ、JR高円寺駅の発車チャイムも、8月に入ると独特な横笛の調に変更される。直前の1週間前からは、街中に桟敷や櫓が設営され、街の姿が見える形で塗り替えられていく。
僕は26日(土)に観に行った。
今年で50回目の記念大会、東京高円寺阿波踊り。僕がこの街に住み、催しをじかに体験するようになってから、今年が3度目である。夏の終わりを告げる風物詩。横笛に加え、三味線、太鼓、鉦(かね)と、幾分湿り気の高い空気が、僕に言葉にならない寂寥感を感じさせる。翌朝から僕は旅に出た。街に漂う前日からの熱気と、残された最後の夏の一日。まだ始まっていない終わり。
数日後に僕は旅から戻った。出る時に喧騒に包まれていた街は、たった数日の間で嘘のように平然を取り戻していた。祭りの後。駅のホームに鳴り響くチャイムは、数日前と同じにも関わらず。
今年は例年行われている前夜祭が中止されていた。予算削減に伴ない、将来的には1日での集中開催が計画されていると言う。
意識の外で、また季節が一回りしてた。2006年の夏が終わった。
