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K

先日久しぶりにメールしたという友人であるが(ここでは便宜的にKとする)、音信不通になっていたとは言え、しばらく気になっていた男でもある。というのも、僕が最後に知っているKは社会から隔離された生活を送っていたからだ。

僕は彼のことを中学生の頃から知ってる。高校を出たあたりまではごく普通だった。しかし大学受験に失敗してから、Kの中で歯車がかみ合わなくなっていった。僕を含めて親しかった周囲の人間が、徐々に地元を離れていく。自分だけ取り残されていく感覚を頭の片隅に覚えつつ、それでもKは地元でアルバイトを数年続けた。僕は時々地元に戻った時、Kや共通の友人に会い、一緒に遊びに行ったりもしてた。少なくとも彼は以前と変わらない人間に見えた。

でも本当は違ったのだ。どうして自分だけ?鬱屈がKの心を満たし、溢れかえったその日から、彼は外に出られなくなってしまった。僕を含め、家族と親しい人間ならば大丈夫。でもその限りなく狭い人間関係の外に出ると、彼はとたんにどうしてよいのかわからなくなる。いつの間にかKは対人恐怖症みたいになってしまって、外に出て人と会うのが苦痛になっていたのである。しかし完全な「引きこもり」という訳ではなかった。彼は人の目を避けるため、歩いて数分の場所にあるタバコの自動販売機を使わず、わざわざ車で30分の距離にあるコンビニまで出かける生活。

バイトをやめた彼はその後10年近くの間、引きこもり生活をすることになった。すでに過去形で書いているのは、つい1年ほど前くらいから社会復帰しつつあるらしいからだ。

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