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ハンドボールの思い出(その2)

【ハンドボール用語】:スカイプレー
ゴールまでの7メートルラインをまたぐようにジャンプし、空中でシュートなどすること(華やかな一面である)

とにかく顧問の先生が恐ろしかった。本当かどうか知らないけど、元○○代表という肩書きを持つ190センチの大男。その長身と日本人離れした彫りの深さは女生徒に人気であったが、部活の顧問としての彼は、(あの当時でも珍しいほど)よく殴る恐怖の鉄拳サウスポーに他ならないのだ。冗談ではなく、彼のおかげで平手での殴られ方というのを習得できたように思う。先生どうもありがとうございました。妙に力んで緊張させてはダメで、何も考えず体の力を抜くのが殴られ方の基本である。釘が少し飛び出た棒で尻を叩かれたり、練習試合のハーフタイムに、校庭の向こうの壁までダッシュで往復させられたこともあった。

それから言葉にするまでもなく、地方の公立高校におけるこのマイナースポーツの扱いなど、超がつくほど取るに足りないものであった。一般的にハンドボールというのは屋内でする。しかし限られた体育館のスペースが与えられるはずなどない。そこは校舎から一番対角線で離れた校庭の端っこであった。されによくよく思い出すと、僕らにはちゃんとした部室が与えられていなかった。それは「部室」ではなく、ただの「小屋」であった。一般的な部室が並ぶ棟みたいなのから、ぴょこっと離れたそれ。捨てて良いのかわからない体育用具が並ぶ物置を改造したものだ。それがれっきとした部室であると勘違いしていた当時の僕はまだまだ純朴で、世間の冷たさを冷たさと理解するまで、季節が回るのをいくつか待たねばならなかった。
(続く)

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