one and only
僕が学生をしていたころに、ひょんなことがきっかけで知り合った人たちと、久しぶりに会う機会があった。その昔に参加した、総理府が主催する交流プログラムだった。現在は海外赴任中なのだが、そこで一緒だったSさんという人がいる。先日はその彼が日本に一時帰国していた。
もともと警察官である彼は、現在外務省に出向中。中東と南の島で2年づつ、領事館の勤務にあたっている。今は3年目で、ハワイの総領事で働いているとのこと。オフィスから車で15分ほどでビーチ。「17時に仕事が終わってから毎日サーフィンだよ」、と彼。どこまで本当なのかわからないけど、ちょっとうらやましい。来年の4月までハワイにいて、その後は日本に戻り、本来所属している千葉県警に戻る予定とのこと。そしたら警視に昇格なんだって。「踊る大走査線」の室井の階級は最初は確か警視だったな。
Sさんは昔から面白い人である。少なくとも僕の周囲にはいない不思議なタイプだ。基本的にはものすごい勉強家なのだが、実際に何を考えているかが非常にわかりにくい。警官というお堅い職業であるが、プライベートの彼と接すると、そのギリギリのバランス感覚が、一歩間違えるとちょっと怖かったりもする。ただし一緒にお酒を飲むのにはとても楽しい人なのだ。話は飛躍するかもしれないが、そのSさんを含めて、ここで通常集まる皆さんは全員僕より年上である。10年以上前からの知り合いであるが、彼らの中では僕は常に最年少で、それが何だかとても変な感じでもある。
これまでそんな彼らがとても大人に見えていた。見た感じも話の内容もね。しかしこの日はどうであろう。彼らに年上感を全く抱かなかった。これまでは明らかに世代が違う、と思っていたのに、いつの間にか同世代に吸収された感覚。僕の精神構造が彼らのもつそれに追いついたんだと思う。別の言い方をすると、僕がふけたのだ。いつの間にか目線が同じになってる・・・。さらっと流されがちであるが、これはとても衝撃的な事実であった。誰でも(特に若いころは)自分は特別な存在でありたいと思っている部分があると思うのだが、それが気づくとone of themになっているという恐怖。この日僕が感じたのは、実は深く考察するに足ることなんじゃないか。