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芸術の春

先週末に箱根に行ってきたのであるが、その際にふらりと立ち寄った美術館で「おや?」と思える心境の変化を目の当たりにした。ガイドブックで目に留まったポーラ美術館に行った時のことである。僕は人生で初めて「絵も良いかもしれない」という思いを経験したのだ。

それは思いもかけずにやってきた。そして次に、さっき感じたヒラメキは、ある意味ものすごい人生の通過点だったんじゃないか、と鳥肌さえ立った。僕は絵画にほとんど興味がなかったのだ。何をどう見て何を思えばよいのわからなかった。というか、目の前に作品があったとしても、心に何も浮かんでこないので何も感じないのである。

その反面、僕は写真を見るのが好きだった。それは紛れもない現実である。時に美しく、幸せで、残酷で、はかないスナップショットに、僕は圧倒的な真実性を感じて思いをめぐらす事ができた。

しかし裏返して考えると、それは事実以外の(以上の)何ものでもないのだ。ポーラ美術館でぼんやりと絵を眺めていたこの日の僕。その瞬間にこの色は何を表しているんだろうか、とかこれは一見○○だけど、本当は□□なのだろうか、深く考えていたのである。写真にはない圧倒的な創造性を絵画に見出した瞬間であった。

僕は感受性を広げる事に成功したのであろうか。目に見えないものを形にする、そういう芸術性が僕に芽生えたようでうれしい。

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