私をスキーに連れてって

飛行機の中で「私をスキーに連れてって」と「踊る大走査線 The Movie」を観た。最新映画もあったんだけど、興味をそそられるものがなかったのでこの旧作を鑑賞。
「スキー」は1987年の作品である。真っ白なスキーウェアに身をまとった原田知世が眩しい!丁度20年前か、バブル期の浮かれた感じがいたるところに漂っている。「トレンディードラマ」という不思議なジャンルのテレビドラマが流行り始めたのもこの頃なんだろうな。この映画はその走りだった。「踊る」は最近の作品という印象があるが、1998年の製作。改めて観たけど、この映画はホントにテンポが良いねー。既に出演している女優の髪型とかが古臭く見える。10年ひと昔というのは本当なのだ。ところで歌手としての織田裕二はどうなのか、とマキシー・プリーストと協演している主題歌を聞くといつも思う。これは反町隆史が歌い、リッチー・サンボラがギターを弾いたケースと同様である。

最近時間があるときには日本映画の旧作とかをDVDで借りて観たりもしている。まとめて感想を残しておこうと思うんだが、できないでいるのが残念だ。

Little Miss Sunshine

■ Little Miss Sunshine(2006)
久しぶりに映画評でも。昨年小規模な公開でスタートしたにも関わらず、最終的には数々の映画賞の栄誉を勝ち得たこの作品。それぞれに問題を抱えるとある家族。末娘の出場するミスコン会場への道中で、半分壊れかけた家族の絆を取り戻すハートウォーミングな佳作だ。

ジャンルとしては僕の好きなロードムービーである。ヘロイン中毒のジイさん、ホモの学者、言葉を失くした少年など、一筋縄にはいかない登場人物たち。そんな彼らが融和されていく様が暖かく描かれる。アメリカの大地を走る黄色いバンがとともに鮮やかだ。10歳に満たない女の子たちにおかしな格好をさせ、ステージに立たせる不気味なアメリカミスコン文化の風刺。ジョンベネ事件を髣髴とさせる場面。全般的にはコメディなのだが、笑いの中にほろりと切ないエピソードも組み込まれ、鑑賞後に残るさっぱりとした感慨が気持ち良い。

総評:
3.7(5点満点)
主演の女の子はきっとアメリカの純心なのだ

他にも観たけど忘れた

覚えているうちに書いておこう。比較的最近観た映画だけど、下に書いたヤツはもう記憶があいまいだ。





■Whisky(2004)
過去に60本程度しか映画を生み出していない国、ウルグアイ。かの国から突然のように飛び出したこの映画。靴下工場を営む初老と男性と女性が、ひょんなきっかけで仮面夫婦を演じるという話。

淡々とした流れの中にペーソスがあふれている。ふとした仕草に深みが感じられ、とても描写が細かい。初老の男女の会話とか(というか会話はほとんどないんだけど)、観光地特有のチープな雰囲気とかって世界共通のものなんだろうか。「初めてこんなの観た」というカテゴリーに分類されるんじゃないかな。思わず「え???」と飛び起きてしまう結末に僕はとても混乱。これはお酒の話ではないです。

総評:4.0(5点満点)


■The Notebook(2004)
邦題は「君に読む物語」。原作が大ヒットしたらしい小説の映画化。古き良きアメリカ南部が主な映画の舞台である。

ここまでベタベタのラブストーリーを観たのは久しぶり。初老の男がやっぱり初老で認知症の女に物語を話して聞かせるのであるが、すぐにその物語が二人の若いころの話だとはわかる。でも最後にほろりとくるどんでん返しが控えていた。認知症の描き方が別のテーマなんだろうけど、ちょっと僕は納得できなかった。あれって若いころの記憶があって、最近の出来事を忘れちゃうんじゃいのかな。しかしこの映画は全く逆なのです。

こういう映画って女の人は好きなんだろうなー。たまにはこういうのも悪くない。涙はでなかったけど、少し鳥肌がたった。

総評:3.8(5点満点)


■Meet The Fockers(2004)
邦題(?)「Meet The Parents 2」。主演はBen Stiller。Robert De NiroやDustin Hoffmanが脇を固める 大ヒットコメディの続編。

一作目が結構好きだったので観たけど、予想通りに何も考えずに楽しかった。声を出して笑いたい時にお勧め。

総評:3.0(5点満点)


■Lost In Translation(2003)

主演はBill Murray。東京で偶然出会ったアメリカ人男女が、東京という異文化の中で繰りなす見つけるそれぞれの自分。

ビル・マーレーというと"Ghost Busters"しか思い浮かばないのであるが、こういう映画にも出ていたのか。淡々とした流れの映画は好きなんだけど、正直なところイマイチ感情移入できなかった。むしろ外国人が見た東京の猥雑さというところが目立っていて、僕にとってはそれがとっても興味深かった。

この映画って結構評判良かったように記憶しているが、それはやっぱり「あの」Francis Ford Coppolaの娘、Sofia Coppolaの監督作という話題性が大いに手伝ったんだろうか・・・。観る人によって評価が分かれるのは当たり前だが。

総評:2.0(5点満点)


■The Sea Inside(2004)

スペイン・フランスの合作。邦題は「海を飛ぶ夢」。若いころの事故で半身不随になった男が望む尊厳死。それを支援する認知症の弁護士。最近は「認知症」を描くのが世界的に流行ってるの?

アメリカで製作されるガチャガチャうるさい映画に飽きてくると、こういうのをじっくりと観たくなる。

総評:3.7(5点満点)

ところで近所のTSUTAYAが閉店してしまい、DVDを借りてみる機会が減ってしまった。駅から自宅までのちょうど中間くらいにあり、そこそこ品数も多くてとても便利だっただけに残念。いつ行っても込んでたので、お店の売上が傾いたとかじゃないような気がする。他にDVD屋さんを探したんだけど、僕んち方面には不思議な事に一軒もない!JRの駅で反対側に出るか、もしくは地下鉄の駅周辺にあるだけだった。絶対みんなも困ってるはず。

Crash

■Crash(2004)

"Million Dollar Baby"で脚本を勤めたPaul Haggisが初めてメガホンを取った映画。歪んだアメリカ社会に生きる人たちを描く。ハイウェイで起きた殺人事件と、それを取り巻く登場人物たち。

10年位前にあった"Short Cuts"みたいな群像劇であった。ベースとなるのはいまだ根深い人種差別。アフリカ系、中東系、アジア系に、もちろん白人。全体的に映画のトーンが暗い。しかし実は血が流れるのは一回だけ。そして良い意味で、予想を裏切る幸せな話だったりする。抑圧された社会の犠牲者である主人公たちであるが、それでも皆が忘れていない根本的な人間愛が描かれた作品であった。心の琴線に触れ、鑑賞後の後味が良い。

でもそのミリオン〜と同じ年の作品だったのか。そして日本での公開はやっと今年だったのか。Sandra BullockとかBrendan Fraserとかも知った顔も出ている。しかし主役を置かない映画の手法として、彼らのインパクトが欠けていただけに、いくら脚本が良くても特に日本で評価されにくかったのかもね。

総評:4.5(5点満点)
今年観たベスト

映画の秋

■Lost Highway(1997)
David Lynchの名前だけで観てしまった。いかにも彼によるメガホンらしい、良く意味のわからない映画である。僕にとってはこれこそ芸術。どういう話なんだと言われてもうまく表現できないが、輪廻転生的な哲学を感じさせる。

この映画には"Independence Day"で地球を代表して宇宙人と戦うアメリカ大統領を演じたBill Pullmanが主演している。本作ではかなりシリアスな役柄である。しかし僕はそのバカ大統領ぶりを思い出してしまい、笑えてしょうがなかった。それにしてもあの伝説的"Twin Peaks"しかり、リンチが描くアメリカのありふれた風景というのは土着的な不気味さに溢れているね。

総評:3.0
解釈しようとしても解釈できない。感じるのみである。

■The Butterfly Effect(2004)
「ある場所で蝶が羽ばたくと、地球の反対側で竜巻が起こる」=初期条件のわずかな違いが、将来の結果に大きな差を生み出す、という意味のカオス理論の一つ(イントロより)。過去に何度も一時的な記憶障害を経験しながら育った主人公。その頃に残した日記をめくった瞬間、その場面に自分がタイムスリップする。そこで掛け違えるちょっとした出来事と、それが生む結末。あるようでなかったプロットではないか。

本題とはそれるのかもしれないが、僕がこの映画を観て思ったのは、世界の流れが変わったとしても、結局誰かが幸せになって誰かが不幸にならなきゃいけないってこと。幸せのパイというのは同じ大きさで、誰がどれだけの割合を分け合うかが問題なのだ。最後は少し切ない。

総評:3.6
斬新だけどどことなくありがち

■How to Kill Your Neighbor's Dog(2000) 邦題:舞台よりすてきな人生
Kenneth Branah主演作。子供嫌いでヒット作に恵まれない脚本家と子供好きでダンス教室を主宰する妻。そんな二人の近所に越してきた足の不自由な少女がきっかけとなり・・・。

ブラナーが演じたユーモアのセンス溢れる脚本家など人物描写が良い。映画館の掃除スタッフのクールな台詞がよかった。犬の演技がこれまたすごい。ところでタイトルを直訳したら、動物愛護団体とかからクレームがあがるんだろうか。

総評:4.3
じわりと幸福感が広がる良作

■The Godfather(1972)
言わずと知れた映画史に残る名作中の名作である。監督はFrancis Ford Coppola。今回は過去に観たのか観てないのか良く覚えていなかったのでとりあえず観た。子供の頃に観たとしても、多分映画の意味がよくわからなかったんだと思う。

マフィアの一大叙事詩である。コッポラが丹念に描く、淡々としたストーリーであるが、それでも端々に緊張感が漂う。僕が映画を観る時に参考にするサイトにInternet Movie Databaseというのがある。そのサイトでは過去に公開された全映画作品をユーザーがランキングするのであるが、この作品こそ堂々のランキング一位なのだ。

総評:4.6
特に説明はいらない。とにかく観た方が良いと思う。

■Million Dollar Baby(2004)
本年度アカデミー賞主要部門を制覇した、一人の女ボクサーと老トレーナーの硬い絆の物語。Clint Eastwoodに言わせると「完全なラブストーリー」。そして泣きのプロットだが僕はあまり感情移入する事が出来なかった。

ハリウッド映画には珍しく極端にBGMが少ない本作。しかしそれを全く感じさせないイーストウッドの圧倒的存在感はすごい。

総評:3.6
もうおじいちゃんだ。

■ヴィタール
浅野忠信主演作品。交通事故で記憶を無くした研修医に差し出された若い女性の検体。取り付かれたように解剖を行う彼が抱く幻想とよみがえる記憶。

芸術を感じさせる日本映画である。女優の演技は最悪だが踊りは一級品。最後の一場面で僕はホロリと来た。ところで僕が常々思う事。「北の国から」の純役は浅野でも面白かったはず。

総評:3.2
映像、音楽、脚本など、塚本晋也のセンスが光る

■The Life Aquatic with Steve Zissou(2004)
Bill Murray主演。正直良く覚えていない映画である。印象に残ったのは随所で使われたDavid Bowieの歌だけ。
総評:?
最近見たはずだけど良く覚えていない

フレディ・マーキュリー追悼コンサート

Queenのボーカリスト、Freddie Mercuryがエイズで死亡したのは1991年だった。「公式に」彼の死が発表されたのは11月24日。当時高校生だった僕はその数日前、「彼自身による」HIV感染の告白を新聞で読んだ記憶がある。「歴史が終わったのかもしれない」彼が死んだ翌日、クラスメートとそんな会話を交わしたのを今でも強く覚えている。

本作はその翌年、ロンドンのウェンブリー・スタジアムにて開かれた追悼コンサート。しばらくしてからテレビ東京でライブの模様が放送され、僕も食い入るようにブラウン管を眺めたものだ。

ステージに立つ早々たるゲストの面々:
■ Queen
□ Annie Lenox
□ David Bowie
□ Def Leppard
□ Elizabeth Talor
□ Elton John
□ Extreme
□ George Michael
□ Guns n' Roses
□ Ian Hunter(Mott The Hoople)
□ Liza Minnelli
□ Metallica
□ Mick Ronson("Spiders From Mars")
□ Paul Rogers(Free)
□ Paul Young
□ Robert Plant(Led Zeppelin)
□ Seal
□ Toni Iommi(Black Sabbath)

ゲストもスゴイけど彼らによるクイーンのナンバーも名曲ぞろい。デビュー当時色物扱いされていたクイーンであるが(彼らを一番初めに認めたのは我々日本人だった)、改めてその音楽性の豊かさを満喫できるはず。個人的な感想だが、本トリビュートで一番フレディらしく歌っていたのはジョージ・マイケルである。次点でエルトン・ジョン。彼らの歌唱力に定評があるのはもちろんだが、どうしてもゲイつながりを感じてならないのは僕だけだろうか。

そういえば今度ポール・ロジャースとクイーンのコラボレートによるライブが日本で行われる。Freeの印象が強いポール・ロジャース。彼のハスキーな声と、フレディのねちっこい歌声が僕にはどうしても被らない。でもやっぱり生で足を踏み鳴らして"We Will Rock You"とかやられたら、それはそれで大感激するんだろうな。

総評:4.5
とても残念なのは、最初にLDで発売された時に収録されていたはずのゲスト達のライブが省かれていたこと。Guns n' Rosesの"Knocking On The Heaven's Door"とか、Def Leppardの"Now I'm Here"とか、Extremeの"Love Of My Life"とか僕はこっちも見たかったのに。

久しぶりに映画など観る



■Once Upon a Time in America (1984)

友人からDVDを借りて観る。禁酒法時代を駆け抜けたマフィア達。不条理な時代に生きた男達の友情と裏切りの一大叙事詩。監督Sergio Leone、音楽がEnnio Morricone、そして主演にRobert De Niro。

エンターテイメントに徹するハリウッド映画とは正反対に、レオーネがゆっくりとしたカットと細やかな脚本で描く220分。長い。青春と光と影、そして老い。デニーロの代表作は"Taxi Driver"だと思っていたが、この映画でその考えが一変。これこそ彼のベストではないか。久しぶりに映画らしい映画を観たように思う。

総評:4.2
Noodlesの笑みは永遠の議論か

■National Treasure (2004)

逆に非常にわかりやすく、めちゃくちゃ安易で、思いっきりエンターテイメントで、ハリウッド的で、ディズニー的で、大げさな、Nicolas Cage主演作。独立宣言書の裏に隠された宝の地図。ありえない書の盗難と、それを手がかりに宝探しを楽しむありえない話。

アメリカ映画を観て思い出すのが、留学してた頃に旅した場所である。この映画では主にWashington D.C.とPhiladelphiaが舞台。映画に登場するDCの博物館や、アメリカ独立のシンボル「自由の鐘」が展示されているインディペンデンス国立歴史公園。僕もその地に立ったことがある。当時をふと思い出す。

総評:3.5
ひたすらテンポも良い

■Touching the Void (2003)

邦題は「運命を分けたザイル」。標高6300Mを誇るペルーの山"Siula Grande"。その前人未到の壁に挑んだ二人の実話。

無事登頂を遂げた後の滑落事故。ザイル(ロープ)に骨折した一人をつなぎ、何とか麓に降ろそうとする男。しかし下山を阻むハプニングにより彼は決断を迫られる。そして彼は骨折したパートナーを支えるそのザイルをナイフで切ってしまう。彼にとっては究極の選択ではない。それは生きる意思だった。

最初から二人が命を取り留めたのはわかっていた(本人たちが映画に出演)。それでも映画を貫く緊迫感を僕は忘れることができなかった。ザイルが途切れたのは物語の始まりでしかない。クレバスに落ちたにも関わらず命を取り留めた男Joe。彼がベースキャンプに戻るまでがこの物語そのものである。

僕のルームメイトにアイスクライミングを趣味とする男がいた。そのギアを見せてもらったことがあるが、氷壁を貫くピックや、足元を固めるアイスライダーなど、僕にはとても想像がつかない代物だった。少し興味は沸いたんだけど。

総評:4.6
真実だけに鳥肌が立った

Star Wars: Episode III

■Star Wars Star Wars: Episode III - Revenge of the Sith (2005)

1977年の1作目から30年近くが経過。George Lucasがその人生を費やして完成させたご存知Star Warsシリーズの(映画化)最終作。

Hayden Christensen演じるアナキンがダース・ベイダーへ変貌する過程が描かれたこの作品。まったく興味が無い人に言わせたら、わざわざ観にいく必要がないほど単純で解りきってるプロットである。それでもやっぱり観てしまうのは、このシリーズが築き上げた世界観と積み重ねられた歴史に他ならない。映画の公開自体がイベントである(このあたりは過去のエントリを参照してください)。僕より年配の人が語り続けてきた1977年の"New Hope"の衝撃。それを聞く度に僕が感じた悔しさ。だったら僕は自分の子供に言ってやる。「若い頃にIIIを観たんだぜ」って。

作品自体の感想。僕にとってはこの作品がシリーズ中で一番のドラマだった。鑑賞後に実感したのは、シリーズの主人公と全体を貫くテーマがダース・ベイダーそのものであったという事。全部で9部に分かれるスターウォーズで、ルーカスがどうして4.5.6を最初に公開したのかが理解できた。(最後を別として)最初の3作品で徹底的に悪の化身として描かれたベイダー。純粋過ぎた故に悪に落ちたアナキンが描かれた1,2,3。渾然とした善と悪を隔てる点の刹那が僕の胸に染みたのだ。

哲学。僕は"Dark Side"という考え方に激しく同意する。便宜的にここではダークの反対を"Blight"と呼ぶことにする。ダークとブライト。同一の核心と全く正反対の帰結。愛が無ければ憎しみも存在しない。この世に嘘が無かったら真実の意味がない。つまりダークがなければブライトもないのである。アナキンが追い求めたのはつまるところForceの真髄。Jediから見ると自らは善、Sithは悪。だがSithから見ると自らが善でJediが悪。この考え方は僕が30年間生きてきて確信している哲学とそのまま一致するのだ。

総評:4.4(5点満点)
7,8,9は本で読みます。

いっきにまとめて

■Envy
僕の大好きなJack Blackが主演した2004年の作品。Ben Stillerとのダブル主演。犬のウンコを消し去る発明で大もうけした男と、元同僚でその親友の話。いかにもありそうな地方都市の緊張感のなさが描かれた、良い意味で非常にくだらない映画。Va"poo"rizeって・・・。Jack Blackはなんで動いてるだけでおかしいんだろうか。

総評:2.7(5点満点)
Jack Blackのキャラクターに救われた

■About Schmidt
同じく僕の好きなJack Nickolsonの主演作。定年を迎えた直後に妻を亡くした初老の男が、その人生を見つめ直すロードムービー。"Envy#と同様だが、アメリカにありそうな田舎町の雰囲気が淡々描かれる。その手法はDavid Lynch風で僕の好みだ。

総評3.5(5点満点)
何をやらせても彼は怪優だ

■American Splendor
2003年 製作でPaul Giamattiの主演作品。アメリカで実在するコミックブック"American Splendor"の実写版。コミックは実在する人物、Harvey Pekarが彼自身の人生を劇画化したものである。本作において本人も本人役で出演している。淡々とした彼の人生が描かれた良作。アメリカ映画で登場人物が有名になった事を表現するのに"Late show with David Litterman (CBS)"か、"Tonight show with Jay Leno(NBC)"に出演させる事はこの作品でも同じです。

総評3.7(5点満点)
リラックスしたい時に見て

■The Big Lebowski
1998年製作。"Fago"を作り上げたEthan Coen &Joel Coenによる作品。ベトナムからの帰還兵を勤めた競演のJohn Goodmanが良い。それからコーエン兄弟の常連であるSteve Buscemiもまた良い。癖のある役者がピースをかたどる。

総評:2.8(5点満点)
先が読めるのもまた良い。

■Darty Harry
Clint Eastwood主演の刑事物シリーズ第一弾。イーストウッドが演じ上げた44マグナムをぶっ放すヒーロー像。西部劇で見せたアメリカンマッチョに影のある風貌が加味された男が憧れる男の姿。ハリー・キャラハンの渋さは彼しか表現できないね。

総評3.2(5点満点)
You’ve gotta ask yourself one question. Do I feel lucky? Well, do ya, punk?

■Per Un Pugno Di Dollari(荒野の用心棒)
Sergio Leoneが監督、Clint Eastwoodの主演、Ennio Morriconeによる音楽。1964年に作られた記念すべきマカロニウェスタンの第一作。黄金トリオが異彩を放つ。噛むようにタバコを吸うイーストウッドを見るとクラクラしてしまう。黒澤明の「用心棒」の盗作であるとして訴訟騒ぎになり、それを認めたレオーネが東宝に謝罪したのは有名な話。

総評:3.3
「用心棒」よりダイナミック

■Saw
目が覚めると密室につながれていた自分。同じ部屋の対極には同じように鎖につながれた他人。そしてその間にある男の死体と、得体の知れない声が繰り出すサイコスリラー。っのはずなんだがその緊張感に何故か僕は寝てしまった。

総評:??
評価不能

■The Negotiator
数年前に人に進められてVHSを借りてきたまでは良かったが、デッキが壊れていて結局今になるまで見られなかった1998年の作品。Samuel L. JacksonとKevin Spaceyという今を輝く豪華ダブルキャスト。
二人の交渉人の心理戦は見事だったが、これもやっぱり結末が見えてしまった。この映画に出てくるスペーシーはヒーローっぽい役柄である。でも僕が思う彼の真骨頂は"Seven"で見せた壊れた役柄とか、"Usual Suspects"の得体の知れなさだと思うんだけどな・・・。

総評:3.0(5点満点)
Noと言えない交渉人

■笑いの大学
三谷幸喜による脚本で同名の舞台の映画化。僕の好きな作家である安部公房と三谷の作品は通じる部分がある。両者とも劇作家出身。イベントに出かけるのではなく、イベントが飛び込んでくる。三谷が監督を務めた「ラヂオの時間」はその典型だった。舞台という限られたスペースで(見方によってはやや強引に)物語を展開させる手法である。以前よりマシにはなったが、稲垣吾郎はなんであんなに中途半端なんだろう。

総評:3.2
やっぱり舞台で観たい

■Sideways
"American Splendor"と同じくPaul Giamatti主演による大人の恋愛映画。キャラが180度異なる中年男性二人によるロードムービー。ワイン談義にBGMのジャズ。全編に大人の雰囲気が溢れるが、彼らの気持ちを理解するにはもうしばらくかかりそうな気がした。
大人になると簡単な事が簡単になり、難しいことがより難しくなるのだ。

総評:3.3(5点満点)
この映画を観るのに僕はまだ若すぎた
■Eternal Sunshine of the Spotless Mind
Jim Carrey主演、競演にKate Winslet。僕の好きな映画ベスト3に入る"Memento"を彷彿させるプロットに期待して観た。パートナーを忘れるために記憶を消す手術を受ける男女の話。
というかですね、この映画を観た時の僕にとってはあまりにタイムリーな題材だけに、何だか観てて複雑になってしまった。映画を観ている途中の僕はどうしても違う事を考えてしまって、結局結末がどうなったのかよく覚えていない。記憶を消しあっても結局彼らは元に戻ったんだっけ?

総評:3.2(5点満点)
この映画に笑いを求めていなかった

黒澤作品

黒澤作品を立て続けに4本。これらの作品を僕は意識して観たことがない(と思う)。しかし鑑賞中、あるいは鑑賞後、それが嘘のような親しみを覚えている自分に気が付く。それほど僕らはリメイクされた作品、インスパイアされた後続、あるいは低俗な模倣など、何らかの形で黒澤の世界観に触れてきてる証なのだ。

全体を通しての感想。計算されつくされたストーリー展開、緊張感溢れるアクションシーン、それらを増幅させる効果音。全てが超一級のエンターテイメントとしか言いようがない。三船敏郎を超える存在感を持つ役者がこれからの日本映画界に出てくるのか。モノクロなのに色が見える。自虐的に残念さを感じるほど完成度が高い。

■隠し砦の三悪人
スターウォーズIVを製作したジョージ・ルーカスが、いかにこの作品に影響を受けていたのかマジマジと理解できた。太平:又七=C3PO:R2D2。最近の北野武の映画もこれが現点。ロードムービーっぽいのも僕の好みだ。

総評:
じわじわくる。4.5(5点満点)


■椿三十郎
良くわからないんだけどこれは「用心棒」の続きなのかな。三船敏郎の役どころが同じだった。この二作品の三船の立ち振る舞いは、男らしく、色気に溢れ、乱暴で、本当に素晴らしい。最後に来る仲代達矢との決闘シーン。緊張感と派手な演出にゾクゾクする。少し笑いもあるぞ。田中邦衛の脇役ぶりは良いが加山雄三はどうなんだろうか。

総評:
あのすり足っぽいところが良い。4.3(5点満点)


■赤ひげ
僕なんかがコメントするのが申し訳ないほど完成度が高い社会派ドラマ。作品としてはちょっと長いが、そこに黒澤の映画造りへのこだわりを感じる。鬼気迫る山崎努の演技に比べると、キャプテン加山は一体何なんだろう。でもそれが加山の良いところなのだと勝手に自分を納得させながら観た。

総評:
おそらく加山は計算されたダイコンなのだ。4.3(5点満点)

■天国と地獄
現代劇。アクションシーンがない分、全編にみなぎる緊張感がたまらない。その緊張感は観終わった後に脱力感として形を変え一気に僕を襲ってきた。新幹線からの有名な身代金授受シーンが観られて幸せだ。

総評:
4.2(5点満点)

ベルヴィル・ランデブー

■Triplettes de Belleville, Les

2003年製作。フランスを中心にベルギー、カナダ、イギリスによる合作。現代社会への痛烈な風刺を含んだアニメーション映画。

僕にとっては生まれて初めてお金を支払って観たアニメだったりする。ついでに書くとお金を払って劇場で観たフランス映画は二度目で、これは「アメリ」以来だ。誘拐された自転車乗りの孫を探す老婆の話。

宮崎駿をはじめとする日本のアニメは哲学ともいえるテーマで世界的に評価が高いが、この「ベルヴィル・ランデブー」はそれと正反対かもしれない。アニメらしい無茶な世界と無茶な展開と無茶な映像がとっても良かった。台詞が要らないほど見た目のみでストーリーが追えて楽しめる。ただし観方によっては考えさせられるし不気味だ。一部の金持ちに支配される物質的な現代社会で、(愚鈍とさえ言えるほど)ひたむきに生きる人々の哀れさと強さが描かれた良作。

総評:3.0(5点満点)
アートでもある  

まとめて


■"Love Actually"
カップルで観るのには丁度良いかもしれないが、この映画を観ても幸せにもなーんにもなれなかった。世間ではこれを「幸せ」というの?そしてこんな「幸せ」をみんなが求めているの?僕としてはこの映画は少し切なかったな。"Love Is All Around"はWet Wet WetではなくTrogsがオリジナルだとわかったのは良かった。
2.8(5点満点)

■"Happiness"
捉え方がひねくれてはいるけど、むしろこっちの方が人々の捜し求める「幸せ」の価値観がいかにもバラバラで、表現としてリアリティに溢れている。現代人は自らが勝手に作った箱の中で、勝手に苦しんで、勝手に救いを求めているマゾヒストの集まりに過ぎない。
3.8(5点満点)

■"To Kill A Mockingbird"(アラバマ物語)
グレゴリー・ペックと言えば「ローマの休日」が思いつくけど、今後はこの弁護士役が思い出されるに違いないな。この役は何かの調査で「映画に登場するヒーローNo.1」か何かに選ばれたそうです。昔からの論評と同じだけど、やっぱり子役たちが良かった。アラバマでスライドギターを聴いてみたい。
3.7(5点満点)

■"Mystic River"
ショーン・ペンのマッチョな感じが良かった。「何とか兄弟」というのがバカっぽくて笑えた。しかし救いようのない暗さだ。
3.1(5点満点)

まとめて

最近観た映画:

■I, Robot
「2001年宇宙の旅」と「スターウォーズ・エピソードII」と「エイリアン2」と「ターミネーター」と「ブレードランナー」を足して10で割ったような映画。
3.0(5点満点)




■Good Bye Lenin!
笑って泣くという基本的な感情を駆使。良い映画だ。
4.5(5点満点)





■The Day After Tomorrow
Dennis Quaidの奥さん役の人がマイケル・ジャクソンに似ていた。
2.9(5点満点)





■Himmel über Berlin, Der (ベルリン・天使の詩)
寝た。
0.0/評価不能(5点満点)



なべやけん

体調を崩してしまった今週末、僕はDVDなどを観つつひっそりと過ごした訳だが、近所のTSUTAYAで僕をサーブした一人の店員がいた。彼の左胸にはひらがなで書かれた名札が・・・。

もうちょっとで「なべやかん」だ。僕のキュートな心のツボにはまってしまい、笑いをこらえるのに必死でした。そんな訳で最近見た映画。例によって5点満点。

最近観た映画:
◆"Talk to Her" (4.0) 繊細
◆"Fahrenheit 911/華氏911" (2.8) 啓蒙なのかプロパガンダなのか
◆"Dogvillie" (4.2) 前衛的 
◆"The School of Rock" (3.5) Jack Blackに尽きる
◆"The Life of David Gale" (2.8) 好きな人は好きかも
◆"Sunset Blvd." (4.0) 完成度が高い
◆"Huit Femmes/8人の女たち"(2.5) 焼きまわし
◆"Buffalo 66'"(4.3) こういう映画を観るとホッとする
◆"Spider-Man2" (3.0) 頭を空っぽにできる  
◆"The Lord of the Rings: Return of the Lord" (1.5) 三たび寝た

他にも観たかもしれないけど忘れた。忘れ去られる過去の記憶は、時として、意識の外に置かれる現在より辛い。

マッハ!!!!!!!!

2003年のタイ映画。原題は"Ong-Bak: Muay Thai Warrior"。 主演トニー・ジャー、監督はあの「少林サッカー」で主演、監督を務めたチャウ・シンチー。

ストーリー展開は非常にわかり易い。村から盗まれた仏像の頭を取り戻しに行く若者の話。それにしてもトニー・ジャーは凄かったな。CG全盛の今だからこそ彼の体を張ったアクションは一見の価値あり。しなる蹴りが凄い。体が柔らかいって大切だ。今からムエタイを習ってあんな風にできるのなら本気でやってみたい。

しかしながらこの映画、そんな格闘シーンの連続でお腹がいっぱいになってしまう。もうちょっとメリハリがあっても良いんじゃないか?あまり血は流れなかったけど思わず目を覆いたくなる映像ばかりで、少しは生き抜きするシーンが欲しかった。ラブストーリーとかあったらまた別だったんだろうなー。

個人が自分の好みで行動するのは当前のことだと思う。自分の趣向に合わないものであれば、進んで首を突っ込むことはないし、足を運ぶこともない。でも時には何かのキッカケでそれに触れ、虜となる場合もあるはず。そう言った意味で好んで観るような映画ではなかった「マッハ!!!!!!!!」。僕にとってはある意味大きなスクリーンで観るには痛々しかった。

総評:
2.0(5点満点) 劇場で観るには痛すぎる。

Finding Graceland

1998年製作。邦題は「グレースランド」。好きな俳優の一人、Harvey Keitelの主演作。交通事故で妻を亡くし、心を無くしつつある青年が遭遇する奇跡。嘘なのか、本当なのか、それとも幻なのか。

観終わった後に幸せになれる映画を久しぶりに鑑賞できた。寝ても起きても頭から離れない悩みがどこかに消えていく。虚構で成立する現実、それとも現実こそ虚構なのか。そんな世界って何なんだろうか。Priscilla Presleyが関わっただけに、僕の知らないディテールは確かに違いない。それにしてもハーベイ・カイテルって本当に渋いな。顔に刻まれた深いしわと、時に見せる憂い溢れる目線にしびれる。

予想通りと言えば予想通りで、少しまとまり過ぎてる感は残る。しかしこれはこれで良い展開。ハッピーエンドが約束され、安心して観られる作品。

"Finding Graceland"
輪廻転生。:3.6(5点満点)

City Of God

2002年作。原題"Cidade de Deus"。2003年度のアカデミー賞でもノミネートされたブラジル映画。リオデジャネイロ郊外に実在する貧困街で繰り広げられる、救い様のない青春群像。

評判の良い作品なので思わず手に取ったけど、正直映画のストーリーが僕の嗜好に合っていなかった。陽気なリズムに乗り、コロコロと人が死に過ぎるのだ。中心となるのは十代そこそこの少年たち。ありふれた日常のごく一部として、前のシーンで笑っていたはずの彼らが次々に死んでいく。僕が赤川次郎をどうしても理解できないのと同じ。あまりに軽すぎる人の命の扱いを見てて、正直僕はどうしてよいのかわからなかった。そんなにためらいなく人を殺してもいいの?

確かにいち作品としてこの映画を考えると別だと思う。テンポよい話の展開と、バックグラウンドで流れる軽快なリズムが最後まで観る者を飽きさせない。タランティーノを彷彿とさせる作風とクロニクルも正当な評価に値する。でもこの話は実話がベースなんだよ。観た後に「派手なギャングの抗争をみてスッキリ!」とか、「ラテンのノリが最高!」とか、トボケタ感想しか浮かばない人。あなたは絶対に間違ってると思うよ。

"City Of God"/2.5(5点満点):カジュアルに人が死に過ぎ

アカデミー賞

映画ネタが続くけど、昨日だか一昨日だか、今年のアカデミー賞が発表されてたね。"The Lord of the Rings"が沢山受賞したってニュースで読みました(最近新聞を取ってるのだ)。

ファンには申し訳ないんだけど、あの映画って何がそんなに面白いの?もちろんこういうのは個人の趣向がその評価に反映されるので、人によって捉え方はマチマチ。客観的に考えるとこれだけ映画がヒットした訳だから、僕の考えの方が少数派に違いない。それを踏まえて考えるが、やっぱり僕には何が面白いのかわからないのだ。

1作目を映画館で観たときは見事に爆睡。何かの勘違いだと思いビデオを借りて見たが、映画館同様、僕の意識はスっ飛んでしまった。その経験から2作目の公開時には映画館に行かず終い。その後やっぱり自分が変なのか!?、と思いDVDを借りて観たが、映画に対する印象は何ら変化なし。意味無く長く感じる。完全に途中で飽きた。

どんな映画を観ても、必ず何らかの感想は残る。僕以外の人にも当てはまるはず。しかし僕と"The Lord of the Rings"のコンビネーションは、なーんにも感想を残さないんだよね。それでも強いて言うと「僕にとって」この映画はファンタジック過ぎ。社会的理念などの意味で実在する大人の世界を、虚構の世界に当てはめて描こうとする映画の姿勢と、僕の価値観との相性が相容れないのだ。

実際に賞を沢山取った3作目が、シリーズの中で一番出来が良いと聞く。なので僕もいつかは観ることになりそうだ。それに3部作なんだから、やっぱり全部観終わってから最終的な感想を持たなきゃね。今の段階で「つまらない」と判断するのと、最終的に「つまらない」と判断するのでは、ある意味制作側にとっても失礼だし。もし3作目が面白かったとしたら、ある意味"The Matrix"の逆だな。

Paris, Texas

米国のテキサスを舞台にしたロードムービー。1984年の西ドイツとフランスによる合作。主演はHarry Dean Stanton。監督はWim Wenders。

荒涼としたアメリカの大地で自己回帰を試みる主人公。記憶を無くした彼がかつての存在意義を再構築する旅。自分が生を受けた場所、弟夫婦の元に身を寄せる一人息子、そして行方不明の妻。それらを手繰り寄せながら、一度は失ったアイデンティティーを取り戻していく。

これほど映画らしい映画を観たのは久しぶりだと思う。アメリカ人では決して作り出せないアメリカ映画かもしれない。ハリウッドの大作では表現できない濃縮された人生の機微を、当初は言葉すら失っている主人公が雄弁に語り続ける。広大なテキサスで主人公が最終的にたどり着いた小部屋。風景の異なるこちら側と向こう側。部屋を隔てる一枚の壁は、失った後に取り戻せるものと、取り戻せないものを隔てる象徴なのかもしれない。劇中に挿入されるRy Cooderの情緒的なスライドギターに鳥肌が立つ。

終わらないで欲しいと思いながら観た。4.4(5点満点)。

Buono, il brutto, il cattivo, Il

僕はなるべく自分の言葉に責任を持ち、かつ客観的な判断力を養う手立てとして、鑑賞した映画に対する自分なりの評価を下している。以前から僕の日記を読んでる人なら、過去の記述にそのようなエントリーが含まれていたのを知っているかもしれない。そして今回は・・・

"Buono, il brutto, il cattivo, Il"(続夕日のガンマン)

この映画を観たことがなくて、作品に対する先入観を持ちたくない人はこれより先を読まない方が良いです。

続きを読む "Buono, il brutto, il cattivo, Il" »

Matrix Reloaded

僕は以前から鑑賞した映画評を日記に残している。外部に向けて自分が下す判断に責任を持つため、映画の総評も5点満点で点数化してきた。かなり個人的な見解を伴うので、必ずしも皆さんの意見とは一致しないだろう。むしろその可能性が高い。今回もそれにならって映画"Matrix Reloaded"の感想を書く。以下に書くことはあくまで僕自身が持った印象。なので軽く読み流してください。もし今からこの映画を見に行く予定があって、余計なバイアスを叩き込まれたくない人は、ここから先へ進まないように。

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"Matrix Reloaded"を渋谷で。僕は第一作がとても好きだった。その世界観、プロット、映像美、衣装、音楽などなど。特に全体を支配する思想に痛く共感した。同じようなことを僕も中学生くらいの頃から考えていた、全ては何かにコントロールされているのではって。僕は前作を映画館では見なかったが、ビデオとDVDで何度も観た。今でもPCのスクリーンセーバーは、あのコードが上から流れ落ちてくるのを真似たものだ。ここ何年もそうやって緑の文字が落ちてくるのを眺めながら、僕はずっと続編を楽しみにしていた。それを踏まえて・・・。



"Reloaded"は面白くない。



@全体的な緊張感の欠如

確かに緊張はする。でもそれは弛緩があって浮き立つもの。あれだけ連続であってもね…。それに僕はこの映画に笑いを求めている訳ではない。トーンを落とした映像は踏襲していただけに、物語もあくまでシリアスに、切なく進んで欲しかったのが本音。セックスを感じさせるシーンは不要。何だか俗物的にさえ思えた。



A話が過度に飛躍

前回はネオが力に目覚めるまでの成長を描き、段階を踏んで話しが進められていたのでとても理解しやすかった。しかし今回はいきなり力をバリバリ発揮し、大きな敵と戦っていた。その背景を掴みきれないまま、ストーリーが展開されていたのは残念。わざとらしくても構わないので、もう少し外堀を埋める説明が欲しかった。前作をよく覚えてなかったり、見ていない人にとっては非常に判りにくい作りだと言わざるを得ない。



B多すぎる登場人物

前作に登場した主要な人物は、ほぼ主人公のチームとエージェント・スミスだけだった。今回もキーになる人物はそう多くはないが、それへのツナギのキャラクターが多かった。単純にスクリーンに映し出される人物が多すぎとも言える。スミスは蟻のように沢山いたし、加えて群集の存在もあった。それぞれのキャラがぼやけてしまい、僕は誰を観て良いのか迷ってしまった。その分感情移入しにくい。



C格好悪いローレンス・フィッシュボーン

前から僕は彼が醸し出す雰囲気がとても好きだった。ああやって愁いを漂わせながら、目で演技できる役者はそういないと思う。しかし今回はその反対でマッチョなところが多く、彼の役者としての魅力を感じなかった。ちょっと太って見えたし、群集に向かって大声を張り上げるシーンがあったり、なんだか大雑把に見えた。



Dくどい映像

確かにCGを駆使した映像自体はスゴイと思うし、見える価値は十分にある。でもあれだけドカドカ続けられると、それだけでお腹がいっぱいになってしまう。前作はありそうでなかったワイヤーアクションを大々的にフィーチャー。後の流行になる程衝撃的だったのに。



Eその他

「2作目は面白くない」というジンクスがそのまま当てはまるとは言え、個人的に物語自体は嫌いではない。やはり何でもコントロールされていた。終わり方はある意味前作に近いので、次へ期待も当然残った。彼らが着てる服とか、派手なシーン以外での落ち着いた映像は良かった。細部へのこだわりは、センスの無い僕でさえ良くわかった。キアヌは「ビルとテッド」以来、どんな役でも本質的な知性が不足して見えるが、ある意味この未熟な部分がネオ役には必要なのか。



総評:2.3(5点満点)

前作で築き上げられた世界観が台無し。

007 Die Another Day

▼2003年 4月 4日 (Fri) -- No.[482]

久しぶりに映画を観る。"007 Die Another Day"。確か最後に映画を観たのは僕がまだアメリカにいる頃だったと思う。その時はHarry Potterにしようか、007にしようか迷った記憶が。この007は僕が帰る頃にアメリカで公開されたんじゃなかったかなー。

日本の映画館に入るのはかれこれ5年ぶりくらいになる。当時は何とも思わなかったけど、今回改めて感じたのは日本の映画館の設備の素晴らしさ。スクリーンの大きさ、清潔な客席、音響、スタッフの対応、どれをとっても申し分なかった。逆に言うと、それだけアメリカの劇場がボロかった証拠なのかもしれない。やっぱり高いチケット代を払ってるだけあって、そういう所に大きな差が出るんだろうな。前々から僕は思うんだけど、日本人の持つ国民性として、本質的な質への高いコダワリっていうのがあると思う。まぁそれはもしかしたら前にも書いたかもしれないのでどうでも良いが。

映画の話に戻る。シリーズ物だけあって安心して観られた。製作側の意図か解らないけど、結構僕は笑えた。ある意味水戸黄門とか虎さんのノリと全く一緒。吉本新喜劇とも通じる部分は多い。くるぞ!くるぞ!と思ってたらやっぱりキタ!!とかね。それは無いんじゃないのって思っても素直に許せるのがシリーズ物の良い部分だね。ところで Madonnnaがチョイ役で出てたけど年取ったと思わざるを得なかった。Halle Berryはあんなに黒かったっけ?Michael Madsenを選んだのは渋い。僕としてはこの映画で一番ナイスなキャスティングだったな。えー例によって採点をすると…。

2.9(5点満点)
字幕があるってやっぱり楽。

たくさん

▼2002年11月19日 (Tue) -- No.[453]

映画をビデオで見ていたと書いたので、ここ数ヶ月の間に鑑賞したタイトルを思いつくまま揚げてみる。ついでに勝手な一言コメントと評価も書く。この点数はあくまで自分のためなので、絶対に当てにしないで欲しい。なので仮にこれを読んでる人の好きな映画で、僕が付けた点数が低いものがあったとしても怒らないでください。新旧取り混ぜの作品群。他の機会に映画館や、やはりビデオで観たものを改めて借りてきたケースが多々あるし、中には10回以上観た作品もある。知ってる範囲で邦題も載せた。点数は5点満点とする。

“Memento”
巻き戻ししてまで観た、(4.8 )

“When Sally Met Harry”/「恋人たちの予感」
紅葉っていいな、(4.8)

“Some Like It Hot”/「お熱いのが好き」
害がない、(4.5)

“12 Angry Men”/「12人の怒れる男」
そう言えば法学部出身だった、(4.3)

“7人の侍“
若造が知り合いに似ていた、(4.3)

“Mulholland Dr.”
Twin Peaks好きにはたまらない、(4.2)

“Vertigo”
リマスターってすごい、(4.2)

“The Shining”
Jack Blackのキャラはここからきてるのか、(4.1)

“Das Boot”/ユーボート
閉所恐怖症の僕には・・・、(4.0)

“Ballad of Narayama”/「楢山節考」
やっぱり親父の方がいい男だ、(4.0)

“Citizen Cane”/「市民ケーン」
迫力は衰えず、(4.0)

“Reservoir Dogs”
そして誰もいなくなった、(4.0)

“A Clockwork Orange”/「時計仕掛けのオレンジ」
僕は消化できたのか?、(3.9)

“Requiem For Dreams”
今まで見た薬物映画で一番悲惨かも、(3.7)

“Rear Window”/「裏窓」
ちゃんと落ちがある、(3.7)

“The Apartment”/「アパートの鍵貸します」
自分だったら絶対しないな、(3.6)

“Pay It Forward”
最後の一言でプラス1、(3.3)

“John Q”
できれば悲劇的なエンディングが良かった、(3.3)

“Shower”
暖かくなる、(3.3)

“Before Night Falls”
淡々とした流れが良い、(3.2)

“Stomp Out Loud”
目の前で見たい、(3.1)

“North by Northwest”「北北西に進路をとれ」
Mt. Rushmoreには2回も行ったよ、(2.9)

“Goodfellas”
未だマフィアの世界が理解できない、(2.8)

“English Patient”
あいつRed Dragonのヤツだ、(2.8)

“Sexy Beast”
期待して騙された、(2.7)

“Riding In Car With Boys”
コメントしにくい、(2.7)

“Good Will Hunting”
これって役名だったのね、(2.6)

“Dr. Strangelove”/「博士の異常な愛情」
英語が良くわからなかった、(2.5)

“Bridget Jones Diary”
ぽっちゃりし過ぎ、(2.4)

“I am Sam”
サントラには興味はある、(2.4)

“The Eel”/「うなぎ」
何がウケたんだろう、(2.3)

“Deuce Bigalow”
いつも主演の名前を忘てしまう、(2.3)

“La Strada”/「道」
サーカスに売るぞ、(2.3)

“Samourai”
理解に苦しむハードボイルド、(2.2)

“Lord of the Rings”
ファンタジック過ぎる、(2.1)

“American Psycho”
予想外に笑える、(1.6)

“6 days 7 nights”
安易、(1.5)

“Kung Pow”
本気で作った駄作、見る価値あり、(0.2)

コメントと点数つけるのって大変だなー。以外に手間取った…。

二本立て

▼2002年11月10日 (Sun) -- No.[452]

午後から映画を2本立て。映画館に入るのは久しぶり。しばらくずっとビデオで映画を観ていたので、銀幕がとても大きく感じられた。思い出せる範囲では”2001: Space Odyssey”以来ではないか。この日観たのは日本映画「リング」の焼き直し、”The Ring”とMTVで放送されているスタント番組の映画版、”Jackass”。

実を言うとつい最近になって日本版「リング」を観た僕。それまで観る機会が無かった訳ではない。日本で映画化される前に原作となった鈴木光司のオリジナル「リング」とその続編である「らせん」、「ループ」を立て続けに読んでいたので、ワザワザ映画を観るまでもないかなと勝手に思い込んでいたのだ。しかし思いのほか映画の出来が良く、その結果話題が膨らんだ作品なので、いつかは見なければと思っていた所にアメリカでリメイクされて公開。直前に日本版を観たのは良いタイミングだった。同じ頃に目を通した「パラサイト・イブ」とダブってしまい、内容を良く覚えていなかったのも確かだった。

日本でもやってるはずなので、もう観た人も結構いるんだろうなー。先に日本の「リング」について僕が思った事を勝手に書いてみる。映画ではまず母親に焦点が当てられる。ストーリーが進むに連れ「母親の超能力」から「娘の呪い」というのにフォーカスが移され、一般的に言って、その後出てくる娘キャラの不気味さが受けていたのではと思う。それがしかし、僕には唐突な感が否めなかった。あれだけ時間を使って描いていた母親の数奇な人生は何だったの?という事。娘の登場が飛躍して感じられた、とでも言おうか。もっとも鈴木光司の3部作では「リング」より、むしろその続編に入ってから娘にスポットが当てられていた訳で、僕が感じた疑問は、こちらもある意味原作に忠実だったという事なのかもしれない。

話は戻ってアメリカ版。両方の作品を観た人なら必ず感じる印象だろうが、日本版を結構忠実に再現していた感が強い。アメリカ社会に見合うよう、脚本に変更が加えられていたが、それはそれで許容範囲に収まっていたと思う。内容的には、全編終了後に日本の作品で感じた?の部分は無かった。それだけ話題が娘を中心に進められていた証拠だったと思う。アメリカの辺境に漂う、得体の知れない薄気味悪さを表現するのに、岬に立てられた灯台と牧場の風景が用いられたのはとても良かった。どんよりした雲が空を覆う日が多い最近のアイダホ。この時期、こんな場所に住んでいると、確かにただっ広い牧草地帯に根拠のない恐怖を感じる時があるのだ。それから子役の目を妙に見開いた演技が良かった。アメリカの子役は上手だなー。キャストの事をもう一つ書くと、日本版の雰囲気を生かすのであれば、ダンナ役はどうもイタダケナイ。彼では知性が全く感じられず、その場を支配する影が演じ切れなかったのでは。と、偉そうな事を書いたが全体を通して考えると、”The Ring”は決してつまらない映画ではなかった。日本社会にある独特のおどろおどろしさを、アメリカで触れたくない奇怪な何かに上手く置き換えていたのはとても評価できた。ある程度きっちり筋を通して行く展開も良かった。日本映画のリメイクがしっかりと出来上がったのは何となくうれしい。

“Jackass” は”The Ring”と性格的に正反対の映画。もともとテレビで放送されている本当にアホで下らないスタントのクリップ集の映画化。確か1年ほど前に、このテレビと映画に出ているメンバーの何人かがUIとWSUにやって来て生で公演もした。僕はチケットが買えなくて行けなかったが。

彼らがトライする事はスタントの一言では清まされない。「ドッキリ」的要素も強い。かなりお下品なネタも多く、好き嫌いがはっきり別れるに違いないだろう。個人的にウケたのは、肛門にミニカーを突っ込んでそのままレントゲンを撮ったものと、便器売り場でホントにウンコしたやつ。このようなクリップが、1時間半ほど連続すると考えてください。

何も考えずにスクリーンを眺めるだけでゲラゲラ笑えるが、思わず「ォォォ・・・」と目を覆いたくなる場面も多く、逆に笑えない場合も。日本が世界に誇る過激スタント集団、電撃ネットワークとはそこが違うな。そう言えば「ジャークアス」は日本でも撮影を行っていた。日本の場面では、醤油で溶いた大量のワサビを鼻ですすったりしていた。その後に皿にゲロする場面まで映したりした。ちなみにスクリーン上には、何度かウンコとかゲロとかそのまま出てくるので、これから観る場合は心の準備を。

総評:
“The Ring”
「らせん」のリメイクは作るな。3.9/5

“Jackass”
ある意味観る価値はある。3.0/5

2001年宇宙の旅

▼2002年 8月31日 (Sat) -- No.[428]

夜に映画"2001:A Space Odyssey(邦題:2001年宇宙の旅)"をダウンダウンの映画館で観る。言わずと知れた1968年公開の映画史に残る名作。小学生高学年か、中学に入った頃テレビで観た記憶があるが、あまりの難解さに「意味がわからない」との記憶だけで、肝心の内容をさっぱり覚えていなかった。そのためにずっと口の中で小石を噛み当てたような苦い思い出として、僕の心の片隅に残っていたのだ。そして今回僕の借りを返す時がやってきた。

僕の記憶通り難解な映画であった。しかしそれと同時におよそ2時間半の上映後、まるで鳥肌が立つかのような感覚も覚えた。映画のありとあらゆる場面に散りばめられた哲学的思考。初公開されてから35年ほど経過した今でさえも論議が絶えない結末、色あせない映像と音像。この映画を経験した人によって捕らえ方は全く異なるかもしれないが、ここから先は僕が感じた個人的な感想である。

この映画では象徴化された2つの知的建造物が登場する。1992年に完成し自我を発達させたコンピューターHAL。人類の創成期、突如類人猿の前に現れ、その後月の裏側で再び人類に姿を表す石版モノリス。両者ともに一個人の生命でなく、人類全体が50億年を費やして発展させてきた文明、あるいは繰り返される生と死の象徴として僕の目には映った。

宇宙船ディスカバリー号に搭載され、人類が辿り着いた超知的構造物のHAL。無機物質の集まりにも関わらず、自我を持つに至った「彼」は宇宙飛行士に嘘をつき、自我の赴くままに任務を遂行しようとする。歴史上常に人類に従順であった彼は、ついに殺人行為さえ犯す。自ら与えた擬似的生命に命を絶たれる人類。

ストーリーが進むにつれ、人類を新たな段階へと導いていくモノリス。その石版は人によって「神」と理解する事もできたであろう。そのために極めて宗教的な意味合いを含蓄した映画とも言えなくはない。「彼」は猿に武器の概念を与えたり、木星へ旅立つ理由付を与えたり、人類が作り出す文明の発展を常に見守っていた。そしてモノリスが最後に人類を導いた場所は、母体から生まれ落ちる前の胎児としての生命体。

自ら「生」を与えた人工物に、逆に「死」を与えられる人類の皮肉。モノリスが人類全体に与えた「生きる理由」としての生と死。そして最後に人類を導いた生の前の生。僕が映画を通じて感じたのは表裏一体である命の概念だった。

恐らく将来この映画を見る度に、僕が抱く感想は変っていくと思う。ここに書かれた感想はあくまで一時的な気がするのだ。芸術とは本来それを経験した人に印象を委ねる物だと僕は信じる。2001年宇宙の旅は立派な芸術作品だと思う。観た人によって感じ方が千差万別であってしかるべきだ。それでも原作のアーサー・C・クラークと、メガホンを取ったスタンリー・キューブリックは僕に何を伝えたかったのか。しかしそれはやはり、自身の知的発想に頼るしかなさそうだ。

Signs

▼2002年 8月15日 (Thu) -- No.[423]

Moscowに帰ってきたのが前日。インターネットでメールやニュースをチェックしたりして自分自身をアップデートする。かなりの数のメールが来ていたが、予想していた通り、そのほとんどはジャンクメールかメールマガジン。僕にメールを書いてくれる人はいないのか。

体が鈍っているように感じたので、起きてから久しぶりにランニングに出た。トレイルを終えてから早くも2週間が経過している。その間は他の国立公園等でもトレイルを歩いたりしたが、JMTに比べると運動量が少ない。その為に体のキレが悪いように思うのだ。歩くのと走るのでは使う体の部分、筋力の総量が違うようで、走った後は筋肉痛に成りかけてしまった。

午後から映画"Signs"。僕が留守にしていた間に公開された映画は多いが、その中で観たかった一つがこれ。"The Sixth Sence"と同じ監督の手による作品。僕が思っていたのと違った映画で、映画館を出た後には変な気分になった。宇宙人来襲に対応しようとする、田舎町で農作業を営む家族のドラマ。普通このようなSF映画だと、地球に現れる宇宙人が大事な登場キャラクターになり、その描写に映画の大部分を費やすのだろうが、この映画に関しては家族内のドラマがあくまで中心。これでも一応ジャンル的にはSFに当てはまるのだろうか。今までに無いタイプのSF作品として評価が出来るかもしれない。ある意味「未知との遭遇」の作りに通じる部分もあるかも。相変わらずこの監督が作り出す映画はサイレントに近かった。インド系なら歌と踊りが好きなはずなのになー。それから主演で妻を亡くした元牧師役のMel Gibsonより、競演してたJoaquin Phoenixの馬鹿っぽい演技が良かったと個人的には思う。3.3(5点満点)。

今までにも観た映画はこの日記で勝手に評価してきたが、僕自身何かの基準が必要なのではと常々感じていたので、これからは数字(5点満点)で映画の出来を評価する。ただし僕の評価を絶対に当てにしないように。これからは日記に映画ネタが書かれていた場合、映画好きで、観る前に余計な情報で主観が乱されるのを嫌う人などは、絶対に先を読まないでください。これは年度末になってから、僕自身のなんちゃって映画ランキングを作成するためだけに存在するものです。これも自己満足のひとつね。

Starwarsについて

▼2002年 5月22日 (Wed) -- No.[401]

僕の手元に過去に公開された全映画の興行成績ランキングというのがある。Starwarsシリーズはそのベスト15の中に、シリーズ全4作品がランクイン。前の日記を書いてて、この映画が、ここまで人々を引きつける理由は一体何なんだろうと考えるようになった。スターウォーズシリーズは全作品を通じ、日常からかけ離れた壮大な世界観が確立されているからだ。僕がたどり着いた結論がこれ。

映画は一般的にこの世界と日常生活を基礎とした作品がそのほとんどを占めている。例えば今年のアカデミー作品賞を取った"A Beatiful Mind"は、現代に実在する数学者の数奇な人生を追ったもの。栄光の興行成績第一位、"Titanic"は過去の事件の映像化。また只今公開中の "Spider-Man"は、主人公が非現実的な能力を持ち合わせているとは言え、普段はその辺にいそうな青年で舞台はニューヨークという実在する大都市だ。

それらの映画は基本的に僕らの日常とどこかで繋がってる。僕ら観客はスクリーンを眺めながら、自然と劇中の登場人物に自己を投影し彼らに感情移入する。そうする事でストーリーを身近なものとして感じて楽しんでいる訳だ。ただし、映し出される映像は自分自身が住む環境とは少しだけちがう。僕らはそうした「非日常」を疑似体験するために、貴重な時間とお金を払って映画館に足を運んでいるのだろう。

その反面、スターウォーズは"A long time ago in a galaxy far, far away..."で始まる銀河帝国という全く想像の世界が舞台となる。この世には存在しない「フォース」を駆使し、ジェダイというこれもまた架空のヒーロー達が主人公。

観客はもちろんスターウォーズに登場するキャラクター間のやり取りに、自分自身の姿を重ねる事はできるだろう。"II" に関して言うと、アナキンとアミダラのラブストーリーがそれに当てはまる。しかし全体として、この映画が構築してきた世界観はあまりに現実離れしている。その結果、他の映画を観る時のようなキャラクターへの自己投影、または舞台設定への同化が機能し得ないのではないか。でもそれとは逆に、僕らは「非日常」を超えた「非現実」を見出す事が可能になる。ここにはドラック中毒患者や、環境問題、あるいはテロリストなど、僕らが送っている日常生活と繋がるものは何もない。

映画で経験できる非日常だが、「非日常」と言っている時点で、それはすでに日常と連鎖している。しかしスターウォーズの非現実性を経験する事は、日常の範疇から抜け出す事を意味している。そしてその結果、観客達は「日常生活」そのものを忘れる事ができるのではないか。高度に複雑化した社会で、僕らは実は大事なのかそうでないのか、それさえわからない事に気を揉んで生活している。でも思い出して欲しい。スターウォーズのような 100%が空想で固められている映画を観てると、普段感じるている面倒な問題は頭の片隅からも消え去っているはずだ。僕らはそうやって、日常生活を抜け出して頭をからっぽにする数時間を、気がつかないところで欲しているのだろう。

第一作が公開されたのは実に25年前。その間にスターウォーズは独自の世界観を築きあげてきた。ノベライズされたものを手にする事も可能で、映画以上の情報を知りたくなったら、さらにその世界にどっぷりと浸ることもできる。この映画がそこまで人々を魅了して止まないのは、実に四半世紀もの間、非現実を超えたしっかりとした別世界を作り上げた事がその理由だろう。昨年相次いで公開された"Harry Potter"と "The Lord of the Rings"も独特の世界観を基にストーリーが展開されている。しかし両作品とも、スターウォーズと比べると、その世界が確立しきれていない。もっとも 25年かけて築き上げてきたものと比べるのは酷かもしれない。そう思うと、これからこの作品群を超えるSFシリーズが果たして生まれるのか、僕は大きな疑問に思えてならない。

Starwars Episode II

▼2002年 5月22日 (Wed) -- No.[400]

先週末から公開されている"Starwars Episode II"を観る。"II"を観るのはこれが早くも二回目。と言うのも火曜に一度映画館まで足を運んでいたから。今回再び観たのは、そのディテールを確かめたかったから。別に僕はスターウォーズシリーズの大ファンではないが、それでもオープニングテーマが館内で高らかに響き渡り、ストーリーに関する予備知識が宇宙のかなたにスクロールしていくのを観た時には、"I"を観た時と同じように感無量になった。

僕は前作よりも良かったと思う。"I"に関して言うと、映像は確かに凄かったがストーリーが単純で、成り行きが簡単に予想できた。とくにエンディングに近づくにつれて、エピソードIVを役名とキャストだけ変えて取り直したかに思えたくらいだ。"II"は"I"から10年後が舞台設定。アナキンとアミダラのラブストーリーがプロットに加えられ、アナキンが悪の化身へと成長していく基礎が描かれている。"I"に比べてストーリーも複雑化され、その分内容が濃い。

個人的に一番好きだったのはヨーダの戦闘シーン。全てがCG化されたとは言え、過去の作品で見せたスローモーな動きとは一線を画していて良かった。他の観客もそのシーンではエキサイト。映画を通して多少奇妙に感じたシーンもいくつかあったが、それを言ったら映画にはならない。またどんなに自分が窮地に立たされても、そこで冗談を言おうとしていたのはいかにもハリウッド映画的だ。

アミダラ役のNatalie Portmanは、見た目的にもう少し大人びていても良かったと思う。"I"から"II"が製作されるまでに彼女は実際に4歳ほど年を重ねているが、映画で設定された10年間の年月には達しきれていない。マザコン気味のあるアナキンを魅了するのだから、その為にはもう少し年上の雰囲気をかもし出していても悪くは無かったと思う。でも役柄を別とすると、今回の方が彼女自身はカワイかったな。アナキン役はHayden Christensen彼で良かったのかイマイチよく分からない。彼が出てる他の映画も見た事ないし。"II"のアナキン役にはデカプリオもキャストの候補に上がったらしい。映画を見終わってから、デカプリオが配役を得ていたらどうなっていたのだろうと考えた。仮にそうだとしても、確かにアナキンの雰囲気にはマッチしてるだろう。それでもデカプリオには、アナキンが内包している凶暴性が足りなかったのかもしれない。それにしてもユアン・マクレガーはいつ見ても顔がデカイな。

"I"を観た時には思わなかったが、Samuel L Jackson演じたウィンドゥ役を個人的にはLaurence Fishburneにやってもらいたかった。頭を剃りあげた時の二人の体つき、顔立ちは結構似ていたりする。でもフィッシュボーンの気品と憂いに満ちた目もとが、ジェダイの本質に合ってるような気がするのだが。年齢的に役に合わないのかなー。

"II"は公開最初の週末での売上が、スパイダーマンには届かなかった。かと言って"II"がつまらないかというと、そんな事は決してない。スターウォーズの世界観をしっかりと受け継ぎ、SF娯楽大作に出来上がっている。個人的には前3部作を細部まで覚えていなかったのを後悔した。全ては前シリーズへ繋がる布石。もしも今から観に行くのであれば "I"を見返すのも悪くはない。が、それと同時に前シリーズ(エピソードIV, V IV)をおさらいするのを僕は進めたい。アイツがああなって、コイツがこう変貌して、あいつらはコイツのコドモで・・・、とか色々楽しめるでしょう。 2005年公開予定の次作が早くも楽しみだ。

Spider Man

▼2002年 5月10日 (Fri) -- No.[393]

映画"Spider Man"を見に行く。夜中の12時半からという遅い上映。こんな時間に行くのは初めてで、途中で眠くならないか心配しながら映画を観た。

そんな心配など忘れるほど面白い映画だった。話のテンポが非常に良く、観客を飽きさせない工夫が感じられる。上映時間もほぼ2時間で丁度良い長さ、余分なカットが無い。CGを駆使した迫力ある映像は大画面で観るのにピッタリだ。いかにもハリウッド的なストーリー展開も、ある意味安心して見られた要因だろう。

主演のTobey Maguire,共演のKirsten Dunstは両者ともその辺にいそうなルックスで好感が持てた。キャストがもうちょっと良い男だったり、良い女だったりしたら映画の雰囲気がまた違うものになっていたに違いない。久しぶりにWillem Dafoeをスクリーンで観たが、良さそうでいて悪そうな顔立ちが役にもはまっていたと思う。緑色をした悪役キャラは日本で子供向けに放映されている「何とかレンジャー」に出てきそうでちょっとコミカルでさえあった。

来週にはStarwarsが公開される。ファイナルが終わったらもちろん見に行こう。

The Spitfire Grill

▼2001年 7月 5日 (Thu) -- No.[329]

7月5日(木),取っているクラスのペーパーの提出が9日月曜日。連休中にとにかくこの宿題を早いうちに終わらせようと計画。課題は"The Spitfire Grill"という映画を見て、その中で見られる人間関係をクラスで学んだ事を踏まえて描写する事。最低5枚。

休みに入る前クラスでその映画を鑑賞。でもそれだけでは絶対に書けないので、近所のビデオショップで同じ映画を借りる。分かり難い部分を繰り返し見られるようにするため。

クラスで一度観た時、最後の最後になって僕はこの映画を一度見ていた事に気が付いた。本当にラストシーンでようやくである。途中はまったく覚えていない。要は僕にとっては記憶に残す価値が無いほどつまらなかったんだと思う。

そんな訳だからペーパーも全然進むわけが無い。まぁ休みがしばらく続くから良いか。

Memento

▼2001年 7月 1日 (Sun) -- No.[325]

7月1日(日),金曜の夜に映画"Memento"を観に行く。全米で公開されたのは今年の3月。映画のReviewをかなり前に読んで興味を持ち、近所に回ってくるのを楽しみにしていたのだ。この遅れは配給先が小さいため。結局実際に観るまで4ヶ月もかかった事になる。

期待通りとても良かった。評価が別れる所だが少なくとも僕好みの映画。一般的には「興味深い」と評価される映画だろう。でも個人的には今年観た中で一番良かった。期待して観に行って満足して帰ってくる事はごく少ないが、この映画は例外だった。

映画のアイデアが斬新で、このようなアプローチは今までに無かった。ストーリーも良く練られていた。内容は暴漢に襲われ記憶障害になった男の話。彼はその事件以降新しい記憶を蓄積することができなくなる。そして15分を目安に脳ミソがクリアーされ、それまでしてた事を全て忘れててしまう。

まだの人には是非観てもらいたい。間違いなくオススメです。

Moulin Rouge

▼2001年 6月 8日 (Fri) -- No.[310]

6月8日(金),金曜は朝のクラスで学校は終り。時間を潰してから久しぶりにプールに。体が重たくなった気がする。

夕方から映画"Moulin Rouge"。木曜の夜にMTVでやってたムービーアワードでプロモーションされてて観たくなったから。ニコール・キッドマンとユワン・マクレガー主演のミュージカルもの。僕は久しぶりに泳いで疲れていたせいか、不覚にも途中寝むりそうになった。だからと言ってつまらなかった訳では決してなく、割と最近のヒット曲がミュージカル風にアレンジされ劇中で使われたりして面白かった。ウトウトしてしまったのは、画面が比較的「暗かった」からか。話の内容上、真っ青な空の元でストーリーが展開される事は無かった。

その後映画館の入ってるモールにあるメキシカンレストランのバーでビールを一本飲む。

飲んでる途中に気がついた事があった。僕はMoscowにあるバーには全て行ってみたが、この様にレストランにあるセクションが区切られたバーを含めると、まだ行っていない場所があるという事。その事実に気がついた僕は、このメキシカンを出た後、市内にある中華料理屋さんのバーに梯子。

ここには食事をしに来た事があったがバーには入るのは初めて。真っ赤なシートのある日本のクラブ(踊る方じゃないやつ)やスナックの雰囲気。客は全然居なくて意外な穴場かもしれない。ビデオを5本借りてから帰る。

午後から映画を

▼2001年 3月 3日 (Sat) -- No.[237]

3月3日(土),午後から映画を見に行く予定になっていたので、午前中にIBCのペーパーでやらなければいけない残りの仕事を片づける。自分が担当した部分で使ったリファレンスのリストを作る。一度同じ事をやっていたのですぐに終わるかと思ったが、新しい情報を加えたり、作業がややこしかったりしたため思いの他時間を取られた。映画は1時前にスタートの予定だったのでそれまでに終わらせ、最終的なまとめを担当してるメンバーにメールで送る。

終わってさあ出かけるかと思っていたらその担当からメール。どうも引用に不備があったらしいく、そのほとんどは僕のパート。しょうがないので1時前の映画はキャンセル。同じ映画の時間を改めてチェックし、再びリファレンスの作成。しかし集めた資料が割と多く、自分が情報をどこから引っ張ってきたのか訳が分からなくなってしまった。プリントアウトした資料を眺めながら、コツコツと地道に続けるが効率が悪くていらいらした。結局作ったものを全部消して最初からやり直したら午後4時過ぎになっていた。

完成したものを再びメールで送り、5時過ぎの映画スタートに間に合う様すぐに出かけた。観てきた映画はジョージ・クルーニー主演の"O Brother, Where Art Thou?"個人的にかなり期待して行ったのだが、この映画の英語が全然聞き取れなかった。出演者は南部訛りで会話し、話が進められていく。辛うじてストーリーは追えたように思ったけど、残念ながら細かいところが全くと言ってよいほど分からなかった。ビデオが出たらもう一度見直す事にする。でも全体的な雰囲気はとても良かったと思う。

僕は何だか悔しくなってしまって消化不良の状態。このままでは気が収まらないので、本当はいけないけど同じ映画館で上映されている他の映画を続けて観る。ブレンダン・フレイザー主演の"Monkeybone"。公開されてまだ数週のこの映画は、はっきり言って子供向けだった。サイケデリックな映像が観られると思っていたのに、実際の映画は変なキャラクターだらけ。見終わっても特に思う部分もない。何も考えずに観るのには良い。ただそれだけ。

映画を2つ続けて観ても僕はまだ満足できなかった。ここまできたら・・・、本当はやっぱりダメだけどついでだからもう一本観る事にした。次の映画はジュリエット・ビシェ主演"Chocolat"。ジョニー・デップも出ている。この映画が始まるまでは前に観た"Cast Away"で時間を潰した。午後9時50分にChocolatスタート。タイトル通り映画にはチョコレートが沢山出てくる。映画を観ながら食べたくなった。ホットチョコレートも美味しそうだった。とても保守的な南フランスの街でお店を開く主人公と街の人々の話。中々よい映画だったと思う。観て正解の部類に入るだろう。見終わった余韻も残った。疑問に思ったのは映画に出ていた俳優たちは普段の会話では英語を喋り、挨拶だけフランス語だった。何かおかしくないか?

この日はちょっと悪い事をしたが映画を3つも観た。しかも払ったお金はたった4ドル(500円位かな)。日本だったら一回1800円。3つも観れば5400円。日本の物価って一体何々だろ。

Coyote Ugly

▼2000年 9月 3日 (Sun) -- No.[118]

Coyote Ugly,9月3日

午後から映画"Coyote Ugly"を見に行く。昼間だったのでチケットが$4.50で購入でき得した気分。NJの女の子がソングライターになる夢と共にNYに出る話。先に内容は良く知らなかったけど楽しめた。多分家でビデオを借りて見ていたら面白くなかった類の映画だとも思う。やっぱり映画は劇場で見たほうが良いな。大画面とちゃんとした音響で。

GONE IN 60 SECONDS

▼2000年 6月17日 (Sat)

GONE IN 60 SECONDS,6月17日(晴れ)

午後7時半からの映画を観にいった。ニコラス・ケイジ主演の"Gone in 60 Seconds"。すぐ近くに映画館があり、Bryceが作った夕食を食べてから歩いていった。前もってその映画について何も知らなかったけど結構面白かったです。車好きにはたまらないかもしれません。

Steveはすごく映画好き。基本的にいつも彼が「〜観に行こう」と提案し、僕とBryceは「じゃぁ暇だから行こうか」となります。またSteveは週に一本は映画を借りてきたりもします。最近彼はDVDを購入したのでビデオよりDVDを観ることが多く、今週末は"Green Mile"を借りてました。僕は忙しかったのでそれを観る暇なかったけど、リビングには大き目(32インチ)のテレビとそれなりの音響設備があるので、いつもはそれで観てます。ウーハーから出る重低音はお腹に響いて心地よいです。

今日のDL:
Tom Petty - "Into the Great Wide Open"

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